気がつけば1年以上勝利から離れていた
じつはDJ、メキシコ選手権以来勝ち星がなくその間ヒザの手術もあって大会前のフェデックスカップのポイントランクは103位に低迷していた。かつての世界ナンバー1もいつの間にか同ランク6位まで後退。ツアーが再開すると超人ハルクのように増量したブライソン・デシャンボーに注目が集まりジョンソンの影は薄くなるばかりだった。
しかしトラベラーズ選手権では3日目に『61』の猛チャージで単独2位に浮上。最終日は「思うようなプレーはできなかった」というが「4日間通してキレていた」というアイアンショットが光り、
虎の子の1打差を守って21試合ぶりに勝利の美酒に酔いしれた。
「無観客? もちろんちょっと不思議な気はした。18番に誰もギャラリーがいないのは変な感じ。
でもたとえ100万人のファンの前だろうがゼロだろうが優勝の喜びは一緒」
先週の月曜日(22日)には満36歳の誕生日を迎えたDJ。当日はRBCヘリテイジが行われたヒルトンヘッドで息子たちと釣りを楽しみリフレッシュ。その足で会場のあるコネチカットに移動した。
着いてみると選手にコロナの感染者が現れ普段から仲の良いライバル、ブルックス・ケプカも感染が判明したキャディの濃厚接触者だったため検査の結果は陰性だったがやむなく大会を欠場。前週優勝のウェブ・シンプソンも家族に陽性が出て出場を辞退するなどバタバタな状況だった。
記者たちの興味は肉体改造で“飛びすぎ”と話題のデシャンボーや50歳になって最初の試合で予選ラウンドトップ通過のミケルソンに集中。ケガの影響でここしばらく結果が出せていないジョンソンは蚊帳の外。本人は口にこそしなかったものの忸怩たる思いがあったに違いない。
それだけにこの勝利に喜びもひとしお。ツアー屈指の飛ばし屋として名を馳せてきたDJはデシャンボーについて聞かれるとこんな大人の対応を見せた。
「すごいよね。飛んで曲がらないショットを見るのは誰の球でも感心する。でもいくら飛んでもカップにボールを入れなければ意味がない。要はどれだけ遠くに飛ばすかじゃなくて、どれだけカップインさせるか」。おっしゃる通りです。