ロフト10度といえば、平均的なドライバーのロフト角だが、5.5度という超ストロングロフトのドライバーを使用する“マッドサイエンティスト“ブライソン・デシャンボーにとって、それはフェアウェイウッドのロフト角のようだ。いまもっとも注目を集める男の最新クラブ事情とは?

大変だ、5.5度と13.5度の間のクラブがない!→10度のFWを作って解決

PGAツアーが新型コロナウイルスの影響で中断していた間に筋力トレーニングに励み、9キロ増量して見違えるような筋肉ムキムキボディーで再開後のツアーに姿を表すと、平均で340ヤードを超えるという圧倒的な飛距離を披露して周囲を驚かせたブライソン・デシャンボー。

筋肉マン化した影響からクラブも新調する必要を迫られ、使用しているドライバーがスピンを減らすためロフト「5.5度」の設定であることが、驚きとともに報じられた。そして、米メディア「golf.com」によれば、ドライバーだけでなく、フェアウェイウッドにまでマッドサイエンティストの改造の手は伸びたのだという。

画像: 10度のフェアウェイウッドを投入したブライソン・デシャンボ―。ちなみにこれは筋肉ムキムキになる前(写真は2019年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

10度のフェアウェイウッドを投入したブライソン・デシャンボ―。ちなみにこれは筋肉ムキムキになる前(写真は2019年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

まず手をつけたのは、ロフト角16度の5番ウッド。これのスピンが多すぎること(あくまでデシャンボーにとってはだろうが)を嫌った彼は、契約先のコブラのツアー担当に頼み、キング FZツアーの3番ウッドを13.5度にチューン。

ロフトが13.5度なので、普通であれば「ロフトの立ったスプーン」にほかならないが、デシャンボーにとってのそれはあくまでも役割としては5番ウッド。今度はロフト5.5度のコブラ キング スピードゾーンドライバーと13.5度の5番ウッドの間の8度のロフトギャップが問題となった。

だが、5.5度と13.5度の中間の“フェアウェイウッド“は商品ラインナップに存在しない。そして、迷ったツアーレップは、かつて試作されたものの発売に至らず、コブラ本社にプロトタイプが3つだけ残っていたロフト10度のコブラF6フェアウィウッドを本社で発見、早速デシャンボーのために組み上げたのだそうだ。2番ウッドというか、ディープフェースバージョンの、事実上のミニドライバー的クラブとして設計されたもののようだ。

テストしたデシャンボーは、その1.5番ウッドのような2番ウッドのようなクラブでティアップせずに300ヤードを打てることを確認。先週からバッグに入れているのだという。元から規格外のデシャンボーだが、ここ数週間の彼は過去のゴルフの常識をすべて破壊しているかのようだ。

今週のロケットモーゲージ・クラシック初日を松山英樹と同組でプレーするデシャンボー。ティショットで持つ番手にも、注目だ。

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