宣言下のゴルフは「大幅な時短化」が進んでいた
「きっかけとなったのは緊急事態宣言下での、濃厚接触を避けるための措置です。宣言下ではスループレーのみの特別営業で、レストラン、風呂、ロッカールームなどの施設はすべてクローズ。キャディバッグの積み下ろしとカートへの積み込みなどを含めてすべてセルフプレーでした」
こう語るのは千葉県・マグレガーCCの松下健氏。ゴルフ場が“プレーのみ”の場となったことにより、クラブハウスへの出入りがほぼなくなり、結果的にゴルフ場での滞在時間≒プレー時間に。「宣言下では首都圏の高速道路もほぼ渋滞ゼロでしたから、移動を含めてゴルフは大幅に時短化していたんです」と松下氏は語る。

ゴルファーはさくっとプレーしてすぐ帰る“時短ゴルフ”の味を覚えてしまった……?
さらに早朝7時台には、カート内などでのわずかな接触も避けるために「1人プレー枠」を設定。これが大好評となり、真っ先に予約が埋まっていたという。
「1人プレーなら9ホールで1時間強、全体のプレー時間は3時間以下に収まる場合もありました。感染予防という側面だけでなく、サッとプレーだけ楽しんですぐ帰路に就くことができる部分も好評だったようです」(松下氏)
一人プレー枠は「今までの常識を見直す一番の契機になりました。同時にお客様にとってもまさに“禁断の果実”だったようです」と松下氏は続ける。
「1人プレーをはじめ、宣言下での取り組みのなかでプレーを経験したゴルファーは、プレー以外の要素を廃してスムーズにプレーできる時短ゴルフを非常に魅力的だと感じたようです。我々としても従来のお客様と異なるニーズの高まりを受けて、宣言解除後も対応が必要だと感じました」(松下氏)
ゴルファーがかじった禁断の果実。すなわちそれが“時短プレー”というわけだ。
来場時のドレスコードも変更
そこでマグレガーCCでは緊急事態宣言解除後、以前通りの通常営業に戻るのではなく、宣言下での営業形態を一部引き継いで新たなスタンダードを作ることに決めたという。

千葉県・マグレガーCCでは緊急事態宣言中の取り組みとその反響を受け、宣言解除後の営業スタイルを大きく直したという(写真提供/マグレガーCC)
「まず、完全セルフプレーは今後も継続することに決めました。宣言解除に戻ってきたシニア層のお客様やメンバー様から不満の声もありますが、引き続き感染予防を行っていくためにも、全日キャディバッグの積み下ろしとカートへの積み込みなどを含めてお客様にお願いしています」(松下氏)
さらに、「ラウンドスループラン」と「昼食休憩ありプラン」の2プランを設定し、今までプレー料金に含まれていたロッカー利用代も別料金に。これによって、ゴルファーがレストラン・ロッカールームの利用を選べるシステムに。
それに伴って「来場時のドレスコードについても見直しの必要が生じました」と松下氏。
「ロッカーやレストランなどの施設を利用しないお客様もいらっしゃいますから、来場時のドレスコード規定も大きく見直しました。当クラブホームページ上でも記載されていますが、『当クラブではご来場の際のドレスコードはありません。ゴルフの出来る格好でのご来場を推奨しております。ゴルフをする際はゴルフウェアーでお願い致します。』と変更しています」(松下氏)
感染予防措置を取りつつ従来通りの通常営業を引き続き行っていくゴルフ場もある一方で、新たなスタンダードを作ったマグレガーCC。この取り組みに追随するゴルフ場が現れれば、ゴルフの常識は大きく変わるかもしれない。
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