データ示すデシャンボーの攻撃力
PGAツアーが再開して4戦目、シーズン36戦中26試合目の舞台はミシガン州にあるデトロイトGC。 昨年からスタートした「ロケットモーゲージクラシック」の大会初日は7アンダーでK・キズナ―ら3人が首位に並び、アンダーパーの選手が110人と今年もバーディ合戦になる模様です。
世界ランク23位の松山英樹は同10位で3試合連続トップテン入りと好調のブライソン・デシャンボーと同組。結果は、松山は4バーディ3ボギーの1アンダー「71」で87位。 過去3週間で通算46アンダーと絶好調のデシャンボーは松山よりもボギーが1つ多かったですが、1イーグル、8バーディという内容で6アンダー「66」。 初日4位スタートと今週も好スタートとなっています。
松山とデシャンボーの初日の基本データは下記の通りです。
松山英樹 | B・デシャンボー | |
スコア | 71 | 66 |
フェアウエーキープ | 8 / 14 | 8 / 14 |
パーオン | 12 / 18 | 14 / 18 |
パット数 | 28 | 28 |
3パットホール | 0 | 1 |
バンカー | 0 / 1 | 0 / 0 |
リカバリー | 3 / 6 | 1 / 4 |
この基本データだけみると5ストローク差の違いがあまり見えてきませんが、デシャンボーはパー5で2回2オンに成功してイーグルも奪っていたり、攻撃的なゴルフでスコアを伸ばしていました。プレー後のインタビューでデシャンボーは「パー5で(2打目を)9番アイアンで打てるからピンを直接デッドに狙える」と語っていました。 トレーニングと食生活を改善し体重を増やし肉体改造中のデシャンボーのアイアン番手の距離は下記の通りです。
4番 255ヤード
5番 235ヤード
6番 220ヤード
7番 205ヤード
8番 190ヤード
9番 175ヤード
PW 160ヤード
47度 145ヤード
53度 127ヤード
58度 110ヤード
デシャンボーのアイアンは37.5インチで統一されたワンレングスのユニークなセッティングです。そして、 アイアンのスウィングはドライバーの激しいフルショットとは異なりリズムを抑え、距離を上手く合わせてきます。 この辺りがドラコン専門プロとツアープロの違いですね。 またデシャンボーは初日パッティングも好調で3メートルから5メートルの距離は3回中3回沈め、8メートルと10メートルもそれぞれねじ込みスコアを伸ばしていました。
今週のドライバー計測ホールは前半と後半のパー5ホール、7番と14番です。デシャンボーは7番は341ヤード、14番は376ヤードかっ飛ばし平均358.5ヤードで初日から計測ホールトップとなっています。
飛距離以外でもヘッドスピード、ボール初速でもトップとなっているデシャンボーのトラックマンデータを紹介します。 同じ14番ホールでは340ヤードと飛ばしていた松山英樹のスピードデータ、そして昨年第2ラウンドでの同じ14番ホールのデータも比較として載せてみました。
B・デシャンボー | 松山英樹 | 松山英樹(2019) | |
測定ホール | 14番 | 14番 | 14番 |
ヘッドスピード(m/s) | 60.9 | 51.7 | 52.0 |
スピン量(rpm ) | 2905 | 2587 | 3261 |
打ち出し角度 | 11.7 | 10.3 | 8.8 |
ボール初速(m/s) | 87.5 | 77.8 | 77.6 |
飛距離(ヤード) | 376 | 340 | 314 |
こう見ると、松山も去年より26ヤード飛ばしていますが、デシャンボーはさらに異次元の飛距離です。昨年ツアーでボール初速がトップだったのはキャメロン・チャンプ。 最速は198.91マイル(88.4m/s)。 デシャンボーはボール初速200マイル(88.89m/s)を越えたいと話していましたが、この夏に実現しそうな勢いですね。
松山は最終ホールで2メートル強に寄せたバーディチャンスを逃してしまいました。6番ホール(パー4)の2打目はフェアウェイ残り90ヤード地点からのミスショットには驚きましたが、きっちりパーセーブ。 まだまだ本調子ではないようですが、明日以降ミスを最小限に抑えパー5や距離の短いパー4でチャンスを掴むことができれば昨年の15位(通算15アンダー)を上回ることはできると私は思います。