5月24日のチャリティマッチ以来姿を見せていないが……
PGAツアーが再開して早1ヶ月が過ぎた。ニック・ワトニーやキャメロン・チャンプなど、コロナウイルス陽性者を出しながらも、日々ミーティングを重ね、よりよい実施方法を模索しながら、コロナ時代の新しい様式の中で、無観客ながらもトーナメントを粛々と開催している。
だが、何か一つ足りない。そう、タイガー・ウッズの存在だ。彼は一体いつ試合に出てくるのだろうか? 世界のゴルフファンの誰もが彼の登場を心待ちにしている。
今週、オハイオ州のミュアフィールドビレッジGCで開催されることになった新規大会「ワークデイ・チャリティオープン」の出場者リストにも、彼の名前はない。とすれば、過去5勝を誇る「メモリアルトーナメント」に出場するのでは? とする見方が有力だ。
もともと「ジョンディアクラシック」を開催する予定だった今週、急遽「ジョンディア」が試合を取りやめたため、「ワークデイ」が名乗りを上げた。しかも開催コースは「メモリアル」でおなじみ、ジャック・ニクラスのお膝元、ミュアフィールドビレッジに決定。これにより、2週連続同地開催が可能になったのだ。
というわけで、ミュアフィールドと相性のいいタイガーは、もしかしたら2週連続でミュアフィールドで戦うかもしれない、という想像も働いたが、44歳の彼のスタミナと、背中のケガの調子などを見て、“2週連続出場”はやめたのだろう。しかもワークデイはフィル・ミケルソンのスポンサー。特にタイガーが義理立てする必要もない。
タイガーは、5月24日に開催されたチャリティマッチ(NFLのペイトン・マニングとペアを組み、フィル・ミケルソン&NFLのトム・ブレイディと対戦)に出場したものの、ツアーの公式試合には2月の「ジェネシスインビテーショナル」以来、出場していない。3月の「アーノルド・パーマーインビテーショナル」も「プレーヤーズ選手権」も背中痛のため欠場したからだ。
現在はトレーニングとケガの治療、リハビリなどに励んでいるものと思われるが、日本で開催された「ZOZOチャンピオンシップ」で挙げたツアー82勝の次は、相性のいいミュアフィールドで、しかもジャック・ニクラスの前で飾りたいという気持ちも強いのかもしれない。実際、まだ「メモリアル」の出場者リストには名前はないが、公式ホームページ上のギャラリー向けのお知らせの画面には、タイガーの写真と前年優勝者のパトリック・カントレーの2人の写真が掲載されている。これはタイガーが出場することを示唆していると受け取っても間違いないだろう。
サム・スニードの大記録を破る歴史的な「ツアー83勝目」は、ニクラスの庭で達成することになるのだろうか? あるいは、スタンフォード大学時代から練習で回り慣れているサンフランシスコのパブリックコース、TPCハーディングパーク(全米プロ)で達成されるのか?
世界のゴルフ界はやはりタイガーの存在なくしては盛り上がれない。彼のツアーへのカムバックが楽しみである。