難易度1位のパー3
鈴木愛が2日目、3日目と2日続けて池に入れるなど、ハンディキャップ1の最難関ホールとして選手たちを苦しめたカメリアヒルズCCの9番ホール。
バーディ数は4日間で31個と最小タイ。ダブルボギー数は2位の倍以上の32個、トリプルボギー以上のスコアも7個と圧倒的な難易度で、選手たちを苦しめた。
ホールを見てみると、ティイングエリアに対して斜めにグリーンが設置されている「レダン」と呼ばれる設計手法が取り入れられ、戦略性を高めている。
グリーン左奥にはバンカーがあり、グリーン右手前から右奥へかけては池が横たわっているため、薄い当たりで右へ飛んだ球は池につかまり、左に引っかけて想定以上に距離が出るとバンカーが待っている。バンカーからは池に向かって下りの傾斜に打っていくことになるからプレッシャーがかかり、難易度はかなり高い。
最終日のピンの位置は手前から16ヤード、右から12ヤードと池越えになる位置で、ピンまでの距離は179ヤード。ピン方向のエッジまでは170ヤード。ここをどう攻めるか? というのが今回のマネジメントクイズ、題して“プロキャディからの挑戦状”編だ。
番手ごとの飛距離は大西葵の距離をそのまま利用し、4UTで185ヤード、5UTで175ヤード、6番アイアンで165ヤードのキャリーするという条件。風は右横から微風。
この条件で、大西葵は下記の選択肢のなかからひとつを選んで攻めた。もしあなたが先崎キャディとともにこのホールに足を踏み入れたとしたら、どの番手でどんな球筋で攻めるだろうか? 女子プロになったつもりで、ぜひ考えてもらいたい。ちなみに、大西の球筋はドローだ。
“カメリアヒルズ”最難関の9番パー3、どう攻める?
正解は、ぴったりのクラブ5UTを持ってドローでピンに向かって打つ。その理由を先崎キャディに教えてもらおう。
「(大西)葵ちゃんは、朝イチからバーディでスタートし、8番終わって3アンダーで来ていました。最終日は6アンダーを目標にしていたので、ぴったりのクラブで持ち球のドローで右からの風に乗せてピンを攻める積極策を取りました」(先崎キャディ)
積極策を取ってピンを狙うこともときには必要だと先崎キャディ。さらに、ここで1番選びたくないのは、大きなクラブを持って距離を合わせることだと先崎キャディは続ける。
「左奥のバンカーが視覚的に効いているので、大きめのクラブを持つと引っかけてバンカーに入るんです。ここは強い気持ちを持って攻めて欲しいですね」(先崎キャディ)
肝心の大西の結果はというと、「わずかに右に飛び1ヤード足りずに戻って池に入ってしまいました。でも攻めた結果なので、引きずることなくボギーでしのぎ、後半も3バーディの67で上がり10位タイに入りました」(先崎キャディ)
時にはぴったりのクラブで強気にピンを狙う積極策も必要だと教えてくれた先崎キャディ。その結果池に入ってもそれは仕方ないというのもまた、プロの切り替え術なのだろう。