7番ウッドをもう1度バッグに入れるのもアリかも?
15年ほど前、少なくないゴルファーのキャディバッグに7番ウッドは入れられていた。しかし、最近では7番ウッドを入れているゴルファーはむしろレア。その理由が、ユーティリティの台頭だ。フェアウェイウッドよりも短い分、取り回しがラクでナイスショットの確率が高まるユーティリティはアマチュアゴルファーにメリットが多く、女子プロたちもこぞって取り入れたことから、5番ウッドの下はUTを1〜2本入れ、アイアンは5番から(最近では6番や7番からといったケースもある)、といったセッティングが一般化していった。
一方、世界最高峰のPGAツアーではドライバー、3番ウッド、5番ウッドときて、その下は3番アイアンというのが長く一般的だった。その3番だけアイアン型ユーティリティにしたり、4番以降はマッスルで、3番だけキャビティという風にコンボ化する選手は多いが、5番ウッドの下はアイアンというのがいわば常識。
だったのだが、その常識がここにきて変化の兆しを見せている。ロリー・マキロイ 、ダスティン・ジョンソン、ウェブ・シンプソンといったトップ選手が相次いでユーティリティをバッグイン。ジョンソン、シンプソンはユーティリティ2本体制で2週続けて勝利を挙げるなど、変化の兆しが見えているのだ。
そんななか、7番ウッドが地味に復権。バッバ・ワトソン、トミー・フリートウッド、マーク・リーシュマン といったトップ選手がときおり7番ウッドを採用しているという。アマチュアにとってはユーティリティ、プロにとっては3番アイアンでほぼ決まりだった「5番ウッドの次」の番手論争が、ここにきてくすぶりはじめている気配なのだ。
なぜいま、7番ウッドなのか。それはやはり、“上げやすさ”ということになるだろう。7番ウッドはロフトが20〜21度ほどあり、ボールをしっかりと上げてくれる。同じ距離をユーティリティで打とうとすれば、長さが短くなる分ロフトは18〜19度を採用する必要があり、そのロフトだとボールをしっかり打ち上げるのは実は難しい。
つまり、もし「3UT」的なクラブに難しさを感じるのならば、7番ウッドは有力な選択肢となる。また、極端な選択肢としては、3番ウッッド、または5番ウッドを抜いて7番ウッドを入れるという手もある。3番、5番ウッドはロフトが寝ている分、フェアウェイから使うのは難しい。地面からでも高さが出せる7番ウッドをフェアウェイからもっとも飛ばせるクラブに設定し、3番または5番ウッドはティショットの第二の選択肢に用途を限定するという考え方だ。
プロの場合、3番アイアンのほうがコントロールできるとか、ユーティリティのほうがラフからの抜けがいいといったことが選ぶ理由になるだろうが、アマチュアの場合7番ウッドで狙う距離ならば、コントロールや抜けよりも、とにかくミスなくボールを運んでくれることが最優先となる。そのとき、7番ウッドは選択肢として“アリ”だろう。
最近のユーティリティブームにおされ、9番ウッド以下のウッドはめっきり姿を減らした。しかし、7番ウッドまでは大抵の場合、ラインナップに残っている。人気が今ひとつだからか、中古でも格安に手に入れることができる。
5番ウッドで最近ナイスショットしてないなあという人、18〜20度ロフト帯のユーティリティでどうもボールが上がらないんだよな、という人は、今こそ“7番ウッド”に注目してみると面白いかもしれない。