8アンダーの堀川未来夢が単独首位
男子プロたちによるエキシビションマッチ「JGTO共催ゴルフパートナーエキシビショントーナメント」初日が終わりました。
会見ではどの選手も、ゴルフパートナーというスポンサーがエキシビションとしてこういった試合の場を作ってくれたことに感謝していましたね。個人的にも、昨シーズンもツアー会場で取材を行っていた身としては現場で生のプレーを見ることができてうれしかったです。
やはり感染防止対策も徹底していましたね。出場者と関係者全員にはPCR検査が行われ、報道陣も2週間の検温と行動履歴の提出、入場時の検温が必須。取材時も選手との会話は基本的に禁止で、ソーシャルディスタンスを保ち会見もリモートで行われていました。
悪天候でスタートが1時間遅れ、強い雨が降り続くなかでのプレーでしたが、そんな中でもグリーンの状態は非常に良くしっかりスピードが出ていて、バーディをきっちり獲れた選手たちがスコアを伸ばしていました。
また、今大会では昨今の情勢を鑑みて帯同キャディ不在の状態でのプレーとなっているため、各々キャディバッグを担いでプレーしたり手引きカートを使用していたりしたのも、なかなか見られない光景で新鮮でした。
石川遼も「(セルフは)プロとしては初めての経験でした」と語っています。もちろん、風を読む、ボールを拭くなどのタスクも増えるため、「キャディさんのありがたみがよくわかる」と各選手とも口をそろえていましたね。
帯同キャディがおらず、自分ですべてを考えてプレーする状況で、初日を終えて単独首位に立っているのは、8アンダーの堀川未来夢。去年まで“優勝請負人”の異名を持つベテランキャデイ、清水重憲キャディ帯同のもとでプレーし、戦略やマネジメントを叩きこまれた堀川がトップに立っているのは、もちろん偶然ではないでしょう。
ロングパットをしっかり決めて前半6バーディ、上がりの数ホールは少々プレーがバタつくところも見られましたが、後半も3バーディ1ボギーとしっかりスコアを伸ばしていました。
そんな堀川、オフの間は昨今の情勢もあり「家のなかでできるショートゲーム練習」を徹底的に行っていたようです。
「パターマットを使って1、2メートルのウェッジショットやパッティングを徹底的にやりました。あと、フローリングの継ぎ目をターゲットラインに見立ててスクェアに立つイメージを作ったり、(素振りして)インパクトでフェースをスクェアに戻すイメージを擦りこんでいました」(堀川)
この練習は、アマチュアの皆さんにとっても非常に参考になるのではないでしょうか。
賞金王・今平は15位タイ発進
昨シーズン賞金王の今平周吾は5バーディ1ボギー、4アンダーで15位タイ。体がグラつかない、しっかりとしたスウィングが印象的でしたね。雨が強く、地面がぬかるんだなかでも軸がブレていないのは、体幹がしっかりしていることの表れでしょう。
昨シーズン賞金ランク3位の石川遼も、オフの間にトレーニングを重ねてスウィングの再現性をさらに高めていたようで、アイアンでもドライバーでも体の左右へのブレが以前よりもかなり収まっていて、軸のブレないスウィングで打てているなという印象を受けました。
スウィングの変化もあり、初日は6アンダー5位タイと上々のスタートを切った石川。戦略面でも、ドライバーで打つとフルショットできない微妙な距離が残ってしまうため「ドライバーを多用するよりも、3番ウッドや2番アイアンをティショットで使って、残りの100~150ヤードをセカンドで狙うような戦略でプレーしました」(石川)と会見で語っています。それに合わせてクラブセッティングもピッチングウェッジを抜いて47度のウェッジを採用。これも功を奏して良いスタートを切れましたね。
さて、上位陣に昨シーズンから活躍する選手たちの名が並ぶ一方で、昨年のQT(ツアートーナメントへの優先出場資格を争う予選会)を突破して出場権を得た、新たな顔ぶれも見られました。
7アンダー、2位タイには安本大祐(QT10位)。6アンダー5位タイに和田章太郎(QT15位)と竹内廉(QT24位)。5アンダー9位タイに坂本雄介(年QT8位)と関藤直熙(年QT11位)と、実に5名の選手が初日から良い調子でスコアを伸ばしています。
いずれの選手も比較的若く、雨の中でもしっかり飛距離が出ています。合わせて打たずに、しっかりフルショットしてボールを叩いていくようなプレーが印象的でしたね。今後も非常に楽しみです。
最終日の明日も午後から天気が崩れるとの予報が出ています。初日同様、悪天候のなかでスコアを伸ばしあう選手たちがどんな攻撃的なゴルフを見せてくれるのか、注目です。