22歳の若き勝者の誕生で幕を閉じた男子ツアーのエキシビションマッチ「ゴルフパートナー エキシビショントーナメント」。2日間ノーボギー、最終日は9バーディ61のコースレコードで優勝した関藤直煕(せきとうなおき)のスウィングをプロゴルファー・中村修が解説する。

2019年のアジアンツアーの下部ツアーで賞金王

初日を5バーディノーボギーの5アンダー65(パー70)の10位タイで終え、最終日は9バーディノーボギーの61と爆発しコースレコードも樹立、トータル14アンダーで大混戦を制した関藤選手。

昨年のアジア下部ツアー「ブルネイ選手権」の最終日にも同じくパー70のセッティングで61をマークしプレーオフに残り惜敗したというから、その爆発力は本物です。

2日間の試合でしたので、攻めて伸ばした者が勝つという短期決戦を制した理由は彼のプレースタイルにあったようです。優勝会見でどんなプレースタイルが持ち味なのか聞いたところ「ドライバーは飛ぶほうではないですが、積極的にドライバーを持って攻めるスタイルです」との答え。

「飛距離は280から290ヤードくらい」と分析していましたが、最終ホールはフォローの風もあり300ヤード近く飛んでいました。アイアンもキレキレでバーディパットは短い距離ばかりというすべてが噛み合った素晴らしいラウンドでした。

画像: 「ゴルフパートナーエキシビショントーナメント」を制した22歳の関藤直煕(写真/JGTO images)

「ゴルフパートナーエキシビショントーナメント」を制した22歳の関藤直煕(写真/JGTO images)

スウィングを見てみるとオーソドックスなスクェアグリップでどっしりとしたアドレス。ゆっくりとしたテンポでテークバックを上げると、下半身から切り返しを行うことで体がねじられ、そのあとは一気にフィニッシュまで振り抜いていく、見ていて気持ちのいいスウィングです。

とくに注目したいのは、安定した下半身の使い方です。テークバックで右サイドに加重し、重心が移ったあと、左足をしっかり踏み込んで切り返します。そしてダウンではもう一度右足を踏み込むことで回転力を上げていきます。

画像: 切り返しで左足に踏み込んだあと右足で踏み込むことで回転力を上げ飛距離に結びつけている(写真/JGTO images)

切り返しで左足に踏み込んだあと右足で踏み込むことで回転力を上げ飛距離に結びつけている(写真/JGTO images)

右→左→右と踏み込んでインパクトし、フォローでは左サイドに重心を移してフィニッシュを迎えますが、インパクト付近では右足かかとがあまり浮かないベタ足気味の使い方になっています。この足の使い方、地面反力の使い方がヘッドスピードを高め、飛ばしの秘訣になっています。

鍛えられた下半身で地面をしっかりと踏み込み、地面反力も活かすことで、手先に頼らない大きな振り抜きのスウィングを実現しています。飛距離のみならず、下半身を使って打つことで、スウィングテンポや切り返しのタイミングが安定します。アイアンの距離の打ち分けも上手いなと感じましたが、それも下半身の使い方でコントロールできていると見受けられました。

アジアの下部ツアーで様々な芝や天候や気候を経験したことで、初日の雨、雨上がりの最終日のコンディションでもブレることなくスコアを伸ばし自ら優勝をたぐり寄せました。日本とアジアンツアーの賞金王、そしてマスターズ優勝と夢は大きい22歳。若く、将来性にあふれたチャンピオンの誕生を喜びたい気持ちです。

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