前作は軽量モデルが売り上げの20%を占めた
すでに3機種が発売されているキャロウェイの「マーベリック」に、新たに「マーベリック マックス ファスト」というモデルが7月17日に発売になった。このモデルはRシャフトで約270\グラムという軽さが特徴で、クラウン部だけでなく、ソールの一部にもカーボン素材を使用し、“カチャカチャ”を採用せず接着型ホーゼルにするなどして、軽量化をはかっている。
プロや有識者がよく指摘するのは、クラブは「振り切れる範囲で重いほうが良い」というものだ。ある程度重さがあったほうが、スウィング軌道は安定するし、重さを感じてスウィングしやすい。そして、軽すぎるクラブは手打ちになりやすい傾向がある。
しかし、実際にゴルフショップの店頭では、軽いモデルの人気が高い。キャロウェイの場合、前々作の「ローグ」での販売構成比をみると、「マーベリック マックス ファスト」同様に追加発売された軽量モデル、「ローグ スピードスター」が全体の20%を占めているのだ。
ちなみに、もっともポピュラーでスライサー向けの「ローグスター」が、もっとも人気で55%。これは予想の範囲内だろう。上級者向けで、プロにも使用者の多い「ローグ サブゼロ」は、9%。限定販売のスタンダードモデルが同じく9%で、レディースが7%だ(※キャロウェイゴルフのデータから)。
ギアマニアや上級者が注目する「サブゼロ」のシェアが、1割にも満たず、販売期間が半年足らずと他モデルよりも短い軽量モデルの「スピードスター」が人気なのは、非常に興味深い。これは軽いドライバーを求めている人が多いということで、これなら、おそらく「マーベリック マックス ファスト」もスマッシュヒットになるだろうと予想できる。
タイトリスト「TS1」が潮目を変えた
そもそも、この20年あまりで、ドライバー重量は徐々に軽くなっている。大ヒットブランドの「ゼクシオ」を例に取ると、2002年発売の2代目「ゼクシオ」は291グラム。2017年末に発売された10代目の「ゼクシオ テン」は、270グラムだ(※ともにRシャフト)。
重量が軽くなっているのは、日本のコアゴルファーが加齢とともに体力が落ちていっていること。ヘッドが急速に大型化し、より振りやすくするために軽くする必要があったことなど様々な理由があるが、やはり軽くして、よりスピードを出したいというゴルファーの願望を無視できないと思う。
その潮目が変わったと感じるのが、昨年発売されたタイトリストの「TS1」だ。アスリート向けブランドの「TS」シリーズから、271グラムという軽量モデルが発売された。それに伴い、シャフト長も45.75インチと少し長くなり、軽さと長さでヘッドスピードを上げる仕様になっている。力が落ちてきたシニアゴルファーだけでなく、アスリートがより積極的にスピードを出すために、ドライバーを軽くするという発想なのだ。
ヘッドスピードを速くするのは簡単ではない。比較的容易にそれを実現できる軽量化に魅力を感じるゴルファーは少なくないだろう。ニーズがある以上、秋の新製品をはじめ、今後はより軽量のドライバーがラインナップされていくのではないだろうか。