昨年ツアールーキーながら全英女子オープン制覇という快挙を成し遂げ、賞金女王争いも繰り広げるなど飛躍的な成長を遂げた渋野日向子。そんな彼女をサポートするコーチ・青木翔がしぶこが世界を獲った7つの練習法を自身の著書「打ち方は教えない」から3回に分けて紹介する。2回目は「クロスハンドドリル」と「グリップの作り方」だ。

世界を獲った練習法:しぶこを覚醒させたクロスハンドドリル

アプローチ練習からアイアンやドライバーなどの長いクラブに持ち替えると、強く振ろうという意識から、前傾角度が起き上がったり右肩が突っ込む動きが出やすくなります。それを抑制するために、クロスハンドでハーフショットの練習をします。

画像: すくい打とうとすると前傾角度が伸び上がり、クラブヘッドがボールに届かずトップ、もしくは空振りになる。頭の位置を起こさないように意識するのがポイント

すくい打とうとすると前傾角度が伸び上がり、クラブヘッドがボールに届かずトップ、もしくは空振りになる。頭の位置を起こさないように意識するのがポイント

クロスハンドでも芯に当てるには、手の力ではなく腹筋でクラブをリードしなくてはいけません。それができれば、ボールにきちんと力を伝えることができ、しっかりと上がって止まる球が打てるようになるでしょう。

しぶこが最初に行ったのもこのドリルでした。

彼女はボールを下からすくい打つ癖がありましたが、このドリルで上からしっかりと打ち込み、強いボールを打てるようになりました。

世界を獲った練習法:死ぬまで使えるグリップの作り方

グリップの形はさまざまありますが、共通して守ってもらいたいポイントがあります。それは左手の小指と薬指で、しっかりと握るということです。

この2本でしっかりと握れていると、インパクトで自然と左わきが締まり、左腕が内旋しやすくなります。

画像: 濡れたタオルから、左手の小指と薬指、2本の指でギューッと水を絞り出すイメージで握るとよい。クラブを握るときは、この2本の位置を決めてからグリップを作ろう

濡れたタオルから、左手の小指と薬指、2本の指でギューッと水を絞り出すイメージで握るとよい。クラブを握るときは、この2本の位置を決めてからグリップを作ろう

するとフォローにかけて、左腕と上半身が一体となって動き、しっかりとつかまった力強い球が打てるようになるのです。

このグリップができている子は、小学生くらいの年齢でも左手1本でドライバーを打てるようになります。これは年齢や性別を問わず誰にでも当てはまる、重要なポイントです。筋力に頼らず、力の入れどころをつかみましょう。

「打ち方は教えない。」(ゴルフダイジェスト社)より

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