今季初のメジャー全米プロを次週に控えビッグネームが本気モードに突入しているWGC-フェデックスセントジュード招待。今季不調のブルックス・ケプカがコースレコードに並ぶ『62』
で単独トップに立った。勝てば2億円のメジャー前哨戦で完全復活なるか注目だ。

ケプカは不思議な選手だ。あっという間にメジャー4勝を挙げた実力を持ってすれば通常の大
会でも百戦練磨かと思いきやそうではない。本人いわく「メジャーの方が自分のゴルフに集中できる」。

ヒザの故障で苦しむ今シーズンは出場10試合で予選落ちが4回。トップ10入りはRBCヘリテイジの7位だけでフェデックスカップのポイントランクは155位と数字だけ見れば上位125位まで出場が許されないプレーオフシリーズに出ることさえ危うい。

前週の3Mオープンでは普段欧州ツアーが主戦場の弟・チェイスと兄弟そろい踏みを果たしたが、予選を突破し26位タイに入った弟に対し兄はいかにもヒザが痛そうな動作を繰り返しカットラインに1打及ばず予選落ちに終わっている。

画像: 初日首位発進したブルックス・ケプカ(写真は2019年のシュライナーズホスピタルズ 撮影/姉崎正)

初日首位発進したブルックス・ケプカ(写真は2019年のシュライナーズホスピタルズ 撮影/姉崎正)

このまま今季は休眠状態なのか? と思いきやWGCでは別人のゴルフで首位発進。調子が良いのか悪いのか判断がつかない。しかしこれがケプカというゴルファーなのかもしれない。自分で自分のゴルフにメリハリをつける珍しいタイプだ。

連覇がかかるWGC-セントジュード招待、3連覇を目指す全米プロ。ビッグイベントになるほどケプカのモチベーションは爆上がりするのだ。

かつてタイガー・ウッズはWGCが“大好物”だった。高額トーナメントのWGCシリーズで通算18勝を挙げ、ケガがない限りWGCのイベントは欠場したことがなかった。彼もまたビッグイベントほど集中力が増すタイプだ。

しかし今週テネシー州メンフィスの試合会場にタイガーの姿はない。「全米プロとプレーオフシリーズにしっかり備えるため」というのが欠場の理由だが、タイガーにとって重要なメジャー初戦はカリフォルニア州サンフランシスコで開催されることを考えると頷ける。

ときに灼熱の日差しが注ぎ雷雨による中断や蒸し暑い気候が予測されるメンフィスから、朝晩は肌寒いくらい涼しいサンフランシスコに移動してその気候に体を慣らすのは難しい。さらにコロナのリスクもある。その辺を総合的に考えてのWGC欠場を判断したのではないかと推測される。

WGCでのケプカ復活、そしてタイガーvs.ケプカのメジャー争い。そんなシナリオがうっすらと見えてきた? 少なくともその気配はありそうだ。

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