「弊社は5月26日に営業再開していますが、そのころは自粛の一環としてゴルフ場でロッカーの使用ができなかったため、スパイクレスのシューズを求めるお客様が増えていました」
そう語るのは、百貨店・大丸東京店ゴルフ売り場の担当者・服部江里子氏。今までは、ゴルフ場のロッカールームでシューズをゴルフ用に履き替えるのが当たり前だったが、感染対策のためロッカールームを閉鎖したゴルフ場が増えてきたことにより“履いたまま”行き帰りできるスタイルを選ぶゴルファーが増えてきたのだ。
「あとはクラブハウスのレストランが開かないということが多かったので、男性がカートバッグをお求めになるようになった印象があります。今までだと女性が持つ印象の強かったカートバッグですが、今では男性も当たり前のように持つようになってきたかなと思います」
“昼休憩”がとれないことで、軽食や飲み物をカートバッグにいれてコースに持ち込む人が増加。それに伴って、どちらかといえば女性の使用率が高かったカートに持ち込める小めのバッグ「カートバッグ」の需要が増えたというわけだ。“新しいゴルフ様式”に合わせて、求められるアイテムにも変化が起きているのがわかる。
さらに電車でゴルフ場に向かうゴルファーは「街中を歩いていても不自然じゃないスタイルを選ばれるお客様が増えてきました」のだとか。派手なポロシャツをズボンにインするのがいわゆるひとつのゴルフルックだが、さすがに電車などでは目立つ。
さすがに夏場は厳しいが、春や秋ならゴルフ場に着て行って、プレーして、そのまま帰ってきたい。そんなニーズに合わせて、ポロシャツのすそをズボンの外に出したカジュアルなスタイルを提案しているという。
「名門といわれるゴルフ場ではこういった新しい様式が通用しないところもまだまだ沢山あると思いますが、一般的にお客様からこういったお声が多いということでニーズに沿ったアイテムをお客様の目につきやすい箇所に設置したりと、様々な工夫をしながらご提案させて頂いております」
プレースタイルが変わったことで、ゴルフ売り場にも訪れている変化。それは、ゴルファーのニーズが変化したこととイコールでもある。コロナ禍が長引くなか、ゴルフ場には、そしてゴルファーには、これから先どのような変化が訪れるのだろうか。