ゴルファーであれば一度は体験したいと思う“ホールインワン”。そんな奇跡ともいえる一打を2者連続で達成したというアマチュアゴルファーが実在する。前編では関西の奇跡を紹介したが、後編は千葉県にある木更津ゴルフクラブで起きたある夫婦の奇跡を紹介。

2者連続ホールインワンの奇跡が起きたのは今から5年前の2015年1月9日に千葉県の木更津ゴルフクラブでのこと。

達成したのは同クラブのメンバーで当時ハンディキャップ5の峯嶋秀岳さん(みねしま・ひでたか)と、妻・明實(あけみ)さん。秀岳さんは3回目のホールインワンだが、明實さんは今回が初めてだという。

奇跡の舞台となったのは7番ホール、120ヤードのパー3。打ち下ろしのホールで、グリーン右手前には池、左は崖で、2段グリーン。当日のピンは左奥に切っていて、左からの風が強く吹くという難易度の高い状況だった。

当時の状況を秀岳さんはこのように話す。

「ティーイングエリアから距離計で測ると137ヤードでした。通常だとピッチングか9番アイアンで打ちますが、風が吹いていたので7番アイアンを短く持ってパンチショットを選択しました」

低く出たボールがピンに当たったところまで明實さんが確認したものの、肝心のボールはどこにいったのか不明。この時点ではまさかホールインワンしているとは考えてもいなかったという。

画像: 峯嶋夫婦が連続ホールインワンを達成したときに撮影したもの

峯嶋夫婦が連続ホールインワンを達成したときに撮影したもの

そのあと明實さんがレディースティからティーショットを打つわけだが、当時のティーイングエリアは目の前に木がありグリーン面が見えないブラインド状態。距離は118(実質約125)ヤードと長くないが、グリーンに乗せることも難しいホールだった。

「何度もプレーしているホールだったので、とにかくグリーンのそばに運べればOKと思って7番ウッドで打ちました。方向はイメージしていた通りでしたが、当たりも良かったので(グリーン)オーバーしてしまったかも……と打った直後は思っていました」

画像: 画像上が秀岳さんのスコアカード、下が明實さんのスコアカード。7番ホールのスコアはお互いに「1」。

画像上が秀岳さんのスコアカード、下が明實さんのスコアカード。7番ホールのスコアはお互いに「1」。

カートに乗ってグリーンへ向かおうとしたとき、たまたまグリーン横で作業をしていたグリーンキーパーから「お二人のボールが直接カップインしました!」と声を掛けられたようだ。

秀岳さんのボールはピンに当たってそのままカップイン。明實さんのボールはピン手前に落ちてコロコロ……カランと、まるでプロの試合のようにカップインしたのだという。

「キャディさんに証明しないと!」と考えた明實さんがとっさに大きな声で「キャディさん!」と呼んだところ、前の組のキャディは事情を聞くとカップをのぞき込み、カップの中にボールが2つ入っている状況があまりに非現実的だったことからしばらくその場で固まってしまったそうだ。

画像: 「夫婦による同一ホール連続ホールインワン」はギネス記録に認定された

「夫婦による同一ホール連続ホールインワン」はギネス記録に認定された

かくして2者連続ホールインワンが認められたのだが、さらに奇跡に奇跡は重なる。前の組でプレーしていたのはなんとメジャーリーガー(当時は広島カープ所属)の前田健太選手らプロ野球選手だったのだ。彼らは、後日2人に祝福メッセージを送ってくれたそうだ。

その後「夫婦による同一ホール連続ホールインワン」はギネス記録に認定。夫婦揃って同じホールで連続ホールインワンしたという奇跡。そして後のメジャーリーガーがその場に居合わせた奇跡。ゴルフにはしばしば奇跡的なことが起こるが、これはとっておきではないだろうか。

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