35.25インチと長くしたことで長時間の練習が可能となった
コロナの影響でスケジュールが大きく変更されたPGAツアーだがここにきてようやく待ちに待ったメジャーが帰ってきた。全米プロ初日、前週優勝のジャスティン・トーマス、ローリー・マキロイと同組で回ったタイガーは2アンダー68をマーク。スロースターターの彼がメジャー初日に60台で回ったのは14年の全英オープン以来のこと。なにやら期待が持てそうだ。
本人も「このコンディションでアンダーパーなら上出来」と手応えをにじませる。
そしてこの日彼がグリーン上で手にしていたのはお馴染みのエースパター、スコッティキャメロン ニューポート2ではなく、形状はほぼ同じだが長さを35.25インチまで伸ばしたスコッティキャメロンの新パター。
「ここのところパットの調子が上がっていない。ショットはいいのにパターが入らずスコアメイクの足を引っ張るケースが多かった。普通の長さのパターは腰に負担がかかっていまの自分は長時間練習
することができない。そこで長さを伸ばしてみたら腰への負担が軽減されて以前のように4時間、5時間と練習することが可能になった」とタイガー。
その裏には親交の深いスティーブ・ストリッカーのアドバイスがある。以前からタイガーにパッティングの助言を行ってきたストリッカーが「パターを替えてみれば?」といったのがスイッチするきっかけ。「長くなってもストロークに違和感がないようだし、転がりも素晴らしい。なにより好きなだけ練習できるようになったことが大きい」とストリッカーはいう。
全米プロ初日のパット数は『28』。13番では10メートル以上のロングパットを沈めるなど40位に
終わったメモリアルトーナメントとは別人のよう。
タイガーがパターを変えれば必ずニュースになる。99年から使っているスコッティキャメロン ニューポート2は11年間でメジャー15勝中14勝を挙げ、賞金だけで9400万ドル(約100億円)を稼ぎだした正真正銘の大エース。
それでも彼は決断した。今後のことはわからないが44歳という年齢と何度も手術を重ねてきた腰の状態を鑑みベストな選択をしたのかもしれない。