クラブチャンピオンの称号を持つ常連さんの練習法に感銘を受けたという業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。その練習法を行うことで、上達する上でクラブの振り心地をそろえることの重要性が認識できるというのだが……いったいどんな練習法?

打席は固定しない。1球ずつクラブを変えて練習する

みなさんこんにちは。ギアオタク店長小倉です。さて今回のお話はお店のある練習場の常連さんであるトップアマの方とのやりとりから。

その常連さんは、とあるコースのメンバーさんなんですが、クラブチャンピオンも複数獲得したことのある大変上手な方。その方の練習法がどれも実戦に使えそうな工夫がされているのでいくつかご紹介したいと思います。

その方は、打席をお気に入りの打席を持たず、あるときは、一階打席の右端、またあるときは二階打席の真ん中、その次は二階の左端と色々な場所で練習されています。

これは打席から見える景色や打席の向きに惑わされず正確に構える練習、狙った方向に正確に打ち出す練習になるのだそう。コースでも木々の作る壁や、ティイングエリアの芝の刈ってある境目などが目に入るとアドレスやスウィング軌道に影響するんだそうです。

もうひとつこの常連さんの特徴ある練習方法は、1球ずつクラブを変えてボールを打つことです。コースのプレー中同じクラブを2回続けて使うことはほとんどありませんから、その実戦と同じような環境で練習しているわけです。

画像: 1球ずつクラブを変えて打つことで、実戦のような環境で練習できるだけでなく、14本のウェートフローが正しく作られているかもチェックできると小倉氏(写真はイメージ 撮影/増田保雄)

1球ずつクラブを変えて打つことで、実戦のような環境で練習できるだけでなく、14本のウェートフローが正しく作られているかもチェックできると小倉氏(写真はイメージ 撮影/増田保雄)

この練習法、実はクラブの重要性が身に染みる練習法でもあります。どういうことかというと、ゴルフクラブには短くなるにつれ、重くしていくウェートフローという考え方があります。

これは長いクラブは振ったときに強い遠心力が生まれるので軽く、短いクラブは遠心力が弱まるのでそのぶん重くすることで振ったときの抵抗感を揃えるといった考え方です。アイアンセットのほとんどはこの考え方で作られています。

また最近では、シャフトのキックポイントなどを揃えることで、より13本のクラブの振り心地を揃えるといった考え方もあります。そういった工夫をすることで次にどのクラブを持っても同じようなフィーリングでスウィングでき、ミート率を高めようというわけです。

もちろんドライバーはドライバー、アイアンはアイアンと用途が違うからそれぞれのフィーリングを育てるといった考え方もあると思います。実際にそう考えて練習されている方もいるでしょう。

でも正直なところ、どのクラブも同じようなフィーリングで振ることができればそれに越したことはないですよね。同じ人間が振るんだし。そうすることでやることがシンプルになり、上達しやすくなりますし、調子も維持しやすくなります。もちろん私もクラブフィッティングをするときは、他のクラブとの流れも確認しています。そのトップアマの方のクラブもしっかり管理されていました。

今度練習場に行ったらぜひ1球ずつ違うクラブを変えて打ってみてください。それでミスが続くようでしたら、各クラブの相性が良くないのかもしれませんよ。気になるようならぜひ近くの工房などに相談してみてください。

 

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