「全英女子オープン(AIGオープン)」がスコットランドのロイヤルトゥルーンGCを舞台に幕を開ける。日本からはディフェンディングチャンピオンとして出場する渋野日向子をはじめ、畑岡奈紗、野村敏京、河本結、上田桃子、勝みなみ、稲見萌寧の7名が出場する。一体どんな活躍を見せてくれるのか? プロゴルファー・中村修が展望。

会場は全英オープン9度開催の「ロイヤルトゥルーンGC オールドコース」

1878年開場の「ロイヤルトゥルーンGC」は、第1回の全英オープンの舞台になった「プレストウィックGC」や「ターンベリー」といった名リンクスコースが並ぶ一帯に位置しています。

9度の全英オープンが開催されていますが、その中でも2016年のヘンリク・ステンソンとフィル・ミケルソンの最終日の激闘を覚えている方も多いのではないでしょうか。彼らはティショットでアイアンやファウェイウッドを多用していましたが、風にどう対応するか、ポットバンカー、ラフをどう避けるか、ピンをどう狙うかなど、かなり高度なマネジメントが要求されるのは間違いありません。

画像: 「全英女子オープン」が開催される「ロイヤルトゥルーンGC オールドコース」(写真/Getty Images)

「全英女子オープン」が開催される「ロイヤルトゥルーンGC オールドコース」(写真/Getty Images)

しかし、このマネジメントもリンクス特有の風や一日の中でのコンディションの変化に対する経験が必要になります。特に横風や斜め方向からの風にどれくらい影響されるのかというのはリンクスでのプレー経験がものを言いますし、ラフやバンカーにつかまってスコアを崩しても耐えるメンタル面も重要になります。そういう意味ではキャディと力を合わせて乗り越えるコンビネーションも必要になってくるでしょう。

連覇を狙う渋野日向子選手には青木翔コーチ、上田桃子選手には辻村明志コーチ、勝みなみ選手はお母さん、稲見萌寧選手には奥嶋誠昭コーチが帯同しているので力を合わせて頑張る姿が見られると思います。

稲見萌寧選手のキャディ兼コーチを務める奥嶋誠昭コーチの現地からの届いた情報によると、「コースは意外と狭くグリーンは小さい。アプローチはクッションを使えるから、地面は硬いですが意外にやりやすい。雨が多いせいでグリーンはそこそこ止まる。まだ風が吹いていないので何とも言えませんがショットの精度がカギになってくると思います」とのこと。

渋野選手も会見で「思ったよりもグリーンが柔らかい」と言っていましたが、本番がどんなコンディションになるかもカギを握ってくるはずです。

画像: 6649ヤードパー71で開催される。画像は18番グリーン(写真/Getty Images)

6649ヤードパー71で開催される。画像は18番グリーン(写真/Getty Images)

同じようにリンクスコースで開催された前週の「ASIスコットランド女子オープン」でともに12位タイと結果を残した畑岡奈紗と野村敏京の両選手は、リンクスへの対応も体に染みついて来ていることから上位争いも期待できます。

渋野日向子と河本結の両選手は前週にリンクスの洗礼を受け、二人とも予選落ちを喫しましたが、吸収力の高い二人なのでそこからどう立て直してくるかが楽しみです。

ディフェンディングチャンピオンとして臨む渋野選手は、先週のゴルフを「リンクスに対してまったく対応ができなかった」と振り返っていましたが、全英の会場入りしてからは楽しみたい気持ちになってきたと言います。彼女らしいゴルフを期待したいですね。

辻村コーチをキャディとして帯同する上田桃子選手は出発前に前後にネットを立てポットバンカーを想定した練習をする姿がSNSで見られました。海外での経験も豊富な上田選手の活躍も楽しみです。

勝みなみ選手はティショットを曲げながらもアンダーパーでプレーする姿を昨年何度も目の当たりにしました。悪コンディションでも粘り強いゴルフが見られるでしょう。

稲見萌寧選手はコースに対して好印象だったと聞いていますので、昨シーズンの国内女子ツアーでパーオン率1位のショットの精度を見せてくれることを期待します。

初日と二日目は天候が荒れるという予報が入ってきています。ゴルフ発祥とも言われるリンクスコースでの戦いはタフなものになると想像できます。しかし選手たちにとっては間違いなく大きな糧になることでしょう。帯同するキャディも含めて応援したいと思います。

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