スピースの“左ひじを外に向けておく”アドレスを真似した
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。再開されたPGAツアーで話題になっていることのひとつといえば、ブライソン・デシャンボーのムキムキ化からの飛距離アップですよね。なんと今シーズンはドライバーの平均飛距離が323.9ヤードでランキング1位!(8月20日現在)。この1年で約20ヤードも飛距離を伸ばしているらしいんです。
その秘密は肉体改造で2016年のプロ入り間もないころから体重を20キロ以上増やしたことにあると言われていますが、もちろんそれだけではなく、スウィング、ヘッド軌道、ギアなどもかなり研究して、その結果の大幅な飛距離アップなのです。
そんなデシャンボーの飛距離アップの秘密が週刊ゴルフダイジェスト8/25号に掲載されていました。さすがに体重20キロアップは真似できませんが、その他の部分では参考になることもあるのではないかと思い、無謀だとは思いつつやってみることにしました。
まずはアドレスから。デシャンボーはジョーダン・スピースの左ひじを真似したと言っているのですが、アドレスで左ひじを外に向けておくのだそうです。グリップするときに左腕を右に回して左ひじを外に向け、右ひじも右に回して、左ひじとは逆に内側を向けるようにします。そしてその左ひじの向きを変えないままインパクトする。そうすることで左腕がターンしすぎることが抑えられ、かなり強く振ってもボールが左に行くことがなくなるらしいんです。左が怖いハードヒッターは安心できるんでしょうね。ただ、僕はチーピン持ちでもハードヒッターでもないので、あまり意味がないのかなとも思いますが、とりあえず試してみます。
もう一つアドレスでやることがハンドアップ。デシャンボーのアドレスを見るとクラブと腕が一直線に見えるくらいのハンドアップで構えています。その理由は「スウィング中にはヘッドに遠心力が働くことで腕と手首は伸ばされる。腕と手首が伸びて手元が上がるとヘッドは下に落ちるためにダフりやすくなるので、最初からハンドアップに構えておけばヘッドが通る高さを調整する必要がなくなるのでインパクトが安定する」ということらしいです。構えたところにヘッドが戻ってくるので、インパクトで合わせる動きがなくなり、思い切り振れるということなんですね。
やってみると、かなりボールから遠く感じるし、腕をピーンと伸ばすことにかなりの違和感があります。
最後はアッパー軌道。デシャンボーのドライバーのロフトはなんと5.5度! ほぼパターですね(笑)。そのドライバーをアッパー軌道に振り、15度以上の打ち出し角を出しています。ロフトが立つことでスピン量は減り、ボールが前に行く力が強くなるのですが、ボールが上がらなくなってしまうのでアッパー軌道にしてボールの高さを確保し、最新ギアでの飛ぶ弾道「高弾道&低スピン」を実現しているんですね。さすがにそんなロフトのドライバーはアマチュアの僕では扱えないので、9度のドライバーをアッパーに振って試してみようと思います。
何球かデシャンボーのように打ってみましたが、やはり難しい。まず構えた時点でかなりの違和感。腕がかなり突っ張ってる感じがするし、どうしても腕に力が入ります。そこからのテークバックはある程度自然にできるのですが、切り返しからインパクトがかなり難しい。腕を伸ばしたままだから自然と構えたところに腕もヘッドも戻ってくるもんだと思っていましたが、これがなかなかそうは行かない。やはりこれだけ手を伸ばしたままスウィングしてヘッドスピードを出そうと思うと、体の回転が速くないとできないんじゃないかと思います。
そしてアッパーに打つのもかなり難しい。これも腕だけでアッパー軌道に打とうと思っても上手くできない。これも体幹が使えないとできないですね。十数球デシャンボー打法で打ってみましたが、飛ぶどころかまともにミートするのも難しい……。分かってはいたことですが、やはりしっかりと筋力や体幹を鍛えた上で成り立つ打ち方なんだということを思い知りました。おっさんアマチュアができることじゃないんですね。
ただ、左ひじを外に向けておくというのは少し使えそうな気もします。たしかに手首の動きでヘッドをターンさせることが難しくなるので、ひっかけのような球は出にくくなりそう。
ヘッドスピードが50以上あるマッチョ系ゴルファーの方は一度試してみるとさらに飛距離が伸びるかもしれませんね。それ以外の人は他のプロのスウィングを参考にしたほうが良さそうです。