中途半端な距離でミス連発! これどうして?
江波戸邦昌(以下江波戸):打ちたい距離が番手なりの距離より微妙に短いときって、トップ位置をコンパクトにしてコントロールショットを打つじゃないですか。
江澤亜弥(以下江澤):そうですね。トップは抑えたつもりでも思ったより上がってしまうので、ハーフショットを打つ大きさのイメージくらいでいいかもしれませんね。インパクトのスピードや強さで調節しようとするとインパクトでゆるみが出て、ミスショットにつながるので良くないです。
江波戸:でも、抑えて打とうとするとトップが出ちゃうんです。ショートホールやパーオン狙いのセカンドなんかで「乗せたい!」と思うと、ハーフトップが出やすいんですよね。
江澤:そういうケースでトップするのは、気持ちがはやって、リズムが速くなるからなんですよ。リズムが早くなる原因の多くは「打ち急ぎ」です。クラブがトップに行く前に打ちにいっちゃうんですよね。トップをコンパクトにしようとすると、どうしてもバックスウィングが浅くなりがちで、これが打ち急ぎになっていると思います。そこで、バックスウィングで肩を十分にねじってトップを作り、でも手の位置をフルショットよりも抑えます。そしてフルショットと同じリズムとか力感で振ってみてください。
――江澤のアドバイスを参考に、フルショットで122ヤード飛ばす52度のアプローチウェッジを使って、100ヤードを狙うかなり抑えめのコントロールショットを打つ江波戸。ハーフスウィング程度の振り幅で打つも、今度は思わぬシャンクが2連発。
江波戸:アレ! 今度はシャンクが出ちゃいます。原因は何が考えられますか?
江澤:シャンクは、インパクトでスウィングが詰まって手が前に出ると起きるんですよ。
江波戸:その詰まっている感覚、すごくあります。
江澤:江波戸さんはフルショットのときは良い感じで打てているんですけど、コントロールショットのときにそれが出てしまうんですね。そのインパクトでの「つまり感」をなくしたいですよね。
江波戸:どうしたらいいんですか?
江澤:そもそもの原因は低いトップを作ろうとして手元に集中するあまり、肩がしっかり回っていないことにあります。だから体の回転が抑えられてしまい、インパクトで手元が詰まってしまうんです。
江波戸:あ~、コントロールする意識があるから、回し切れていないんだ。
江澤:肩を回しているけれど、手の位置をコンパクトに抑える。これによって“この距離”しか飛ばないというトップを作っているので、安心してしっかり打って欲しいです。それがハーフスウィングをするときのポイントですね。もう一球打ってみましょうか。
江波戸:やってみます――たしかに、肩をしっかり回すことを意識するとシャンクせずに打てました! 江澤先生、ありがとうございます!
TEXT&PHOTO/古屋雅章 撮影協力/スイング碑文谷