現在開催中のPGAツアーチャンピオンズ「チャールズシュワブシリーズ・アット・オザークスナショナル」で、今年50歳のレフティ、フィル・ミケルソンがシニアデビューした。
初日から11バーディ1ボギーでスコア「61」を記録。2日目もスコアを伸ばし、2日目終了時点でトータル17アンダーで単独首位を快走。デビュー戦勝利に向けて順調にスコアを積み上げている。
そんなミケルソンだが、シニアツアーでもキレのあるプレーは相変わらず。その象徴とも言えるのが2日目の9番ホールだ。
パー5のティショットを木の後ろにつけてしまったミケルソン。幸い目の前は開けているが、フルスウィングするには窮屈で、かつ枝が低い位置にあるためボールは上げられないという状況。
アイアンでひとまず前に出す分には問題がないが、パー5のこと、2オンは諦めざるを得ないという状況……にしか見えないがそこはミケルソン。
キャディに「ドライバーをくれ」と一言告げると、抑えたスウィングでそれを一閃。低く飛び出したボールはフェアウェイを転がり、グリーン手前のバンカー付近で止まるあわや2オンというミラクルショット!
そこからお得意のロブショットで寄せ、見事バーディを奪って見せた。
「ドライバーを地面から打つのは難しいってみんな言うけど、2アイアンで打つよりドライバーで打つほうがラクだよ。風が左から右だったんで、ドライバーをカットに打って、風にぶつけたんだ。“直ドラ”は自動的にカットになるから、普通に打っただけだよ」
とホールアウト後にミケルソンはさらりと解説。天才レフティにとっての“普通”の感覚は、言うまでもなく一般アマチュアからは想像もつかない。
ちなみに今回シニアに参戦した理由は、来月から始まる新たなPGAツアーのレギュラーシーズンに向けての準備も兼ねているという。9月には唯一制覇できていないメジャー「全米オープン」も控えている。天才レフティがレギュラーツアーで若手たちとしのぎを削る姿はまだまだ見れそうだ。