強風下の20メートル。3パットの危険もあるロングパットをねじ込んだ!
出場人数が70名に絞られたプレーオフシリーズ第2戦BMW選手権は03年全米オープンの舞台にもなったイリノイ州シカゴ郊外のオリンピアフィールズで幕を開けた。初日はトッププロたちがパーをセーブするのも苦心するなか、松山は6バーディ(3ボギー)を奪い3アンダー67をマーク。アンダーパーが3人しかいない超難コンディションで単独トップの好発進を切った。
圧巻は本人にとって最終ホールとなった9番パー4。左のラフから残り150ヤード強のセカンドショットをグリーンに乗せはしたが20メートル以上のパットを残すことに。強風がグリーン上にも影響を及ぼす状況だけに3パットもあり得る。しかし松山はその超ロングパットを会心の一撃で沈め単独首位に躍り出た。
この日一番良かったのは? と訊かれた松山は「どこが良かったのかあまりよくわからないけれど最後のパットはすごくうれしかったですね。これからもずっと覚えていたいパットになりました」。
ショットメーカーとして名を馳せる松山のウィークポイントはパッティングだと常々いわれてきた。
今シーズンのストロークゲインドパッティング(パットのスコアに対する貢献度)はマイナス0.519で部門別ランキング189位。平均パット数も1.752でランク73位で、今シーズン決めたもっとも長いパットはWGC-メキシコ選手権の最終ラウンドの15メートルだった。つまりこの日の20メートル弾は今季最長だ。
大会に向け松山はパターのシャフトを替えていおりゴルフネットワークの中継で解説を務めた松山の元キャディ進藤大典氏が大いに驚いた。
一般論としてパターのシャフトを変えるのは重さが欲しい場合、あるいは昨今開発が進んでいる複合素材のシャフトを装填することでストロークの際のしなりの変化を求める場合などの理由が考えら
れる。
「先週やっと調子が上向いてきた。どこを変えれば良いのか少しずつわかってきたような気がします。この調子を今週最後までキープしたい」と松山。絶好調だったプレーヤーズ選手権初日の感覚を取り戻し、ここ3年止まっていた優勝カレンダーを塗り替えるときがきた」
もし勝てばフェデックスのポイントランク2位に浮上する。7年連続プレーオフ最終戦のツアー選手権(トップ30のみ進出)出場はもちろん、年間王者のチャンスもある。強い松山を見せて欲しい。