米国よりも先に日本での発表となったピン社の新製品G425シリーズ。先ごろ開催された「ニトリレディス」では鈴木愛らが、男子シニアツアー「マルハンカップ太平洋クラブシニア」ではプレーオフの末2位となった塚田好宣がすでに実戦投入しているという。
ドライバーは3モデル。G425MAX、G425LST、G425SFTとあるなか、今回は主力モデルのG425MAXを東京・新小岩のゴルフスタジオ「PGST」に持ち込み、プロゴルファー・堀口宜篤がそれぞれ5球ずつ打ち、計測器フライトスコープを使ってデータを取りつつ、性能を比較した。
G425MAXはヘッドサイズが460cc。同社史上最大の慣性モーメントを実現したというモデル。ヘッド後方には可動式ウェートが設置され、ドロー、フェードの打ち合わせが可能になっている。
まず、見た目の印象は「分厚くボリューム感があって460㏄以上あるように見える」と堀口プロ。
「見た目の安心感は非常に大きく感じられます。45.75インチの長さを感じさせないくらいヘッドの存在感があります。ディープフェースで後方にかけてシャローになり、重心深度の深さが感じられます。後方の可変式のウェートの移動する幅は少なくなっていますが、重量も増えているようですし効果はしっかりと期待できそうです」(堀口)
早速、ヘッドスピード約45m/sで試打してもらい5球打った平均のデータは下記の通りとなった。
キャリー:252ヤード
総飛距離:275ヤード
打出し角:13.2度
スピン量:2457rpm
「まず打感は弾き感が強く、初速が出ているなという印象です。次に感じたのは曲がり幅の少なさ。出球の方向にほぼ着弾します。大きくスライスしたりフックしたりさせるには意図的にスピンをかけないと無理ですね。これが慣性モーメントが大きいということなんでしょうね。一発の飛距離が出るというよりも、曲がりの少ない実戦向きのドライバーという印象です」(堀口)
計測画面を見ると、フェード系のボールが安定して出ており、着弾地点のズレが少なく、飛距離のブレも少ない。堀口の言う通り、実戦で威力を発揮するモデルと言えそうだ。今まで深いラフにつかまっていたものが、ファーストカットで収まってくれる、そんなドライバーかもしれない。
ではこのドライバー、どんなプレーヤーに向いているのだろうか?
「出球のバラつくゴルファーですね。今回は、純正のSシャフトでロフト10.5度のものをテストしましたが、このスペックでヘッドスピード42m/sくらいが適正だと思います。また、弾道が低めの人が使う場合は、シャフトのしなりでボールを持ち上げるためにも、普段使っているものよりワンフレックス落とすのを検討してもいいと思います。ただ、ロフトはネックの調整機能で1.5度動かせますし、後方のウェートで弾道調整も可能なので、購入後もある程度はアジャストが可能です」(堀口)
鈴木愛や渋野日向子の活躍も手伝って曲がらない、ブレないと人気を博した前モデル「G410」からの進化に興味がある人も多いはず。秋のドライバー戦線の主役候補が登場した。
取材協力/PGST