宮里藍、畑岡奈紗以来となる10代での2試合連続優勝の偉業を達成した笹生優花は、今年高校を卒業したばかりのツアールーキー。笹生は一体どんな高校生だったのか?“石川遼の先生”としても知られる恩師・代々木高校ゴルフ部監督の吉岡徹治氏に話を聞いた。

笹生優花との出会いはバンコク

笹生と吉岡氏の出会いは約5年前のこと、選手の強化の一環として訪れたタイのバンコクの試合でのことだった。

「当時優花は中学生で、将来はアメリカの大学に行きたいと話していたんです。そこで、『日本の通信制の高校に入学したら日本の試合にも出られるよ。日本の試合に慣れてからアメリカのLPGAに挑戦してもいいんじゃないの?』という話をしたんです」(吉岡)

当時から、笹生の目標は「世界一」だったという。その目標は今も変わらずあくまでも米女子ツアーでトップに立つことだが、日本で活躍してからアメリカに向かう道もあると笹生を説得。こうして笹生は、吉岡氏が監督を務める代々木高校ゴルフ部の一員となる。

杉並学園1年生だった石川遼がプロの試合で勝った、そのときの監督が吉岡氏だが、ジュニアゴルファーの才能を見抜く達人ともいえる同氏が笹生をひと目見て惚れ込んだ理由は「優花はアジアと日本、2つの良さを持ち合わせている」ことだと語る。

画像: 2連戦優勝を果たした笹生優花(写真は2020年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 代表撮影/鈴木祥)

2連戦優勝を果たした笹生優花(写真は2020年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 代表撮影/鈴木祥)

「エネルギッシュであり、アグレッシブで爆発力があるのがアジアの選手の良さ。だけど、粗くて脆いところもあるんです。優花は日本人の良さである緻密さや、勤勉さ、丁寧さも持っている。両方の良さを持ち合わせているから、この子は日本に呼びたいなと思ったんです」

父は日本人、母はフィリピン人で両国の国籍を持つ笹生だが、アジア的、日本的、両方の良い気質を受け継いでいると吉岡氏。その後、高校時代はアジア大会金メダル、プロも参加するフィリピン女子オープン連覇、オーガスタ女子アマ3位など輝かしい戦歴を残し、今年プロ入りしてからの活躍はご存知の通り。

そんな活躍を見て、吉岡氏の元にある人物からメールが届いたという。かつての教え子・石川遼だ。

「『凄い選手ですね。笹生さんのスウィングは世界に通用するスウィングです。ビックリしました』と(優勝した)軽井沢(72ゴルフトーナメント)の初日が終わった時点で遼がメールをくれました。遼が女子のスウィングについてメールをくれるなんて初めてだった。それだけ彼ら男子プロから見ても世界で活躍する素質はあるということかもしれません」

アジアと日本、両方の良いところをその身に宿し、男子プロすらも感嘆させるスウィングで快進撃を続ける笹生優花。今週開催のゴルフ5レディスプロゴルフトーナメントで、3試合連続優勝がかかる試合でどのようなプレーを見せてくれるか、注目だ。

This article is a sponsored article by
''.