ツアー出場のため、プロテストと並行してティーチング会員も目指す
JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)のプロテストが年々厳しさを増している。昨年のトップは4日間で9アンダー。ギリギリ通過の20位タイで1オーバーと、ツアーの優勝争いのようなスコアの争いとなっているのだ。
同時に、QT(来季の前半出場権を獲得するための予選会)に出場するためにはプロテスト合格が必須となったことから、超・狭き門であるプロテストをクリアできなかった選手は試合にも出られない、いわば浪人状態となる。幡野夏生もそのうちの一人だ。
2018年のプロデビュー戦・フジサンケイレディースでいきなりホールインワンを決めて12位タイ、2019年も富士通レディースで5位などレギュラーツアーでも活躍していた幡野だが、プロテストには合格していなかった。
そのため、幡野は昨年のプロテストに挑戦。1次、2次と順調に通過して最終プロテストに駒を進め、初日、2日目とアンダーパーでプレーするも、最終日にスコアを崩し合格には至らなかった。
これにより、レギュラーツアー、そして二部にあたるステップ・アップ・ツアーへ出場する道も閉ざされてしまった。
さらに追い討ちをかけるように新型コロナウイルスの影響でリベンジを誓ったプロテストが来年3月まで延期……まさに絶望敵状況だが、それでも幡野はレギュラーツアーに参戦するため、ある“テスト”を受験することを決意した。それは今月中旬に始まるJLPGAの「ティーチングプロフェッショナル会員」の審査だ。
「今のルールだと、ティーチングのライセンスを持っているとQTが受けられるので、ツアーに出場するために必要だと思ったんです。ライセンスが獲れるまでにお金と3年間という時間もかかりますが、受けています」(幡野)
トーナメント選手の資格といえるプロテストを通過した会員とは別に、JLPGAには「ティーチングプロ会員」という資格も存在する。ティーチングプロとして入会するためには、今年実技審査・最終審査に合格し、来年はB級講習会、再来年にA級講習会を受け、入会審査を経て2023年に入会となる。余談だが、審査料、受験料、登録料、受講料等々で、総額で200万円を超えるお金がかかる。
もちろん、来年3月以降に行われる予定のプロテストも受験予定だが、ツアーに出るための選択肢を増やしたということだろう。
幡野は今週月・火の日程で開催されていた日本女子オープン予選にも出場。惜しくも予選落ちしたが、トレードマークの愛嬌溢れるキャラクターで、力強く今後の目標を語ってくれた。
「本当は日本女子オープン予選を通過してトントントーン!って賞金女王まで上り詰める予定だったんですど、予選落ちしてしまったので、3年計画で考えてます。来年3月にプロテストができればそれに合格してツアー参戦! 笹生優花ちゃんみたいにぶっちぎりたいと思います!」
女子ツアーのレベルが上がっていく中で、ツアープロはとして活躍できるのはほんの一握りだが、自ら行動することで未来を切り拓いていけるはず。今後の幡野夏生の活躍に注目したい。