歴代のATTASシリーズのネーミングは、遊び心もあって面白いと感じていました。前作は11弾だけにトランプの11とかけて「ジャック」でしたね。今回は12弾ということで、1ダースにかけて「DAAAS(ダァーッス)」になったようです。
さて、この「DAAAS」、よく見ると1+3+8=12という数字がシャフトの中に描かれています。どういうことかUSTマミヤ営業本部の吉川仁氏に聞いてみると叩けるシャフトという意味が込められているといいます。
「『初代アッタス』と第3弾の『アッタス3(サンジョウ)』に第8弾『アッタスパンチ』という叩き系のシリーズを進化させたモデルになります」(吉川)
手元側を少しゆるめる代わりに先端側のねじれ(トルク)を少なくし、剛性を上げることで叩いてもヘッドの挙動がブレないというモデルのようです。その反対の性格である走り系と呼ばれるモデルは「アッタス9(クール)」に代表されるような中間から先端側をゆるめてインパクト手前からヘッドを走らせて積極的にしなり戻りを起こすような設計のモデルになります。
早速、試打してみました。ピンG410LSTの9度のヘッドに60グラム台の「6X」フレックスと50グラム台の「5SX」フレックスを合わせて打ってみると、ヘッドスピード46m/sで打った場合、6Xのほうが弾道が低く、5SXのほうが高さも飛距離も出ていました。そしてどちらのモデルも特筆すべきはスピン量の少なさです。
低スピンモデルのヘッドの特性を生かしランも含めて距離を稼げました。振ってみた印象は「6X」は中間から先端にかけてのしっかり感が強く、勝手にヘッドが走る感覚はほぼありません。自分でクラブをしっかりと加速させないと飛距離に結びつきません。でもヘッドスピードがある人ならば、どれだけ振っても大型ヘッドのブレを最小限に抑えてくれるでしょうし、打点のズレによるヘッドのブレも先端部の剛性がしっかりと支えてくれることでしょう。
また、今回から「SX」フレックスが追加されたおかげで、さらに細かいフィッティングができるようになっています。「5SX」で打った数値を見ると、ヘッドスピードに対してスピン量や打出し角、ボール初速が最大の飛距離を得られる理想的な数値に近い数値になりました。
自分で選ぶとしたらコースで力んだりリズムが速くなったりすることを考ると、5SXよりは重く、6Xよりは軟らかい「6SX」が適正なのではないかと思います。細かく選べるのはいいですね。
さて、「DAAAS」のラインナップは40グラム台のRフレックスから70グラム台のXフレックスまで15種類と豊富。たとえば、ヘッドスピード40m/s前後、飛距離を求めて走り系を使っているけど、コースでは引っかけのミスが出る……こんな人にはかなりオススメ。フィッティングして重量とフレックスを合わせれば、引っかけを恐れずに気持ちよく振り抜けるようになるはずです。
今一度「ATTAS」シリーズのラインナップを確認してみましょう。右に行くほど手元調子の「叩き系」、左に行くほど先調子の「走り系」のタイプになります。先端側が走る「クール」や「11(ジャック)」などはインパクトでロフトが増え打出し角が高くなる傾向にあり、先端側がしっかりしている「ダース」や「初代アッタス」は中弾道で強めの弾道になります。
プロの場合は、「走り系」か「叩き系」に分かれ、新製品が発売されてもほぼ同じ系統のシャフトを使う傾向にあります。ヘッドはニューモデルに変わってもシャフトは同じモデルを使うことも多いので、気持ちよく振れるシャフトの傾向を知っておくといいでしょう。
第12弾の「ATTAS DAAAS(アッタス ダァーッス)」は叩いて飛ばせるモデルというカテゴリーではあるものの、ヘッドスピードが速くないゴルフファーでも左へ引っかけるミスが多い人には試してみる価値のある特性を持っています。コースで気持ちよく振れることが飛距離にも、安定性にもつながりますので、お試しあれ。