プレーオフシリーズ2戦目「BMW選手権」で、パターに黒色のカーボンシャフトを差していたことが話題となった松山英樹。この“黒カーボン”一体どのような性能を持つのか。また、カーボンの良さは? クラブフィッターに聞いた。

硬・重シャフトで距離感を崩さず、カーボン特有のフィーリングを獲得した

7年連続でPGAツアー最終戦「ツアー選手権」への出場権をつかみ、最終的に賞金ランク12位、フェデックスカップランク15位で2019-20年シーズンを終えた松山英樹。

松山と言えば、プレーオフシリーズの最中にパターをグリップからシャフトまで黒色仕様のモデルに変更したことも話題となった。ヘッドはスコッティキャメロンのニューポート2、そしてシャフトはLAゴルフの「Ozik TP 135」。複合素材構造のカーボンシャフトである。

画像: BMW選手権でカーボンシャフトを挿したパターを投入し、好成績を収めた松山英樹(写真/Getty Images)

BMW選手権でカーボンシャフトを挿したパターを投入し、好成績を収めた松山英樹(写真/Getty Images)

この変更もあってか、同大会ではパットも好調。スコアに対するパットの貢献度を表すスタッツストローク・ゲインド・パッティングでは、2019-20年シーズン通算だと-0.473で170位とツアー平均を下回っているが、同シャフトを実戦投入したBMW選手権では0.139で31位と好転。同大会初日の9番パー4では20メートルのロングパットも見事に決めていた。

「Ozik TP 135」は、モデル名の数字の通りシャフト重量が135グラムで、硬くて低トルクな性能を持つシャフト。こういったシャフトを選ぶメリットはどこにあるのか。クラブフィッターの小倉勇人氏はこう話す。

「まず135グラムと重量がある点。重いシャフトを採用すると、ゆったりとしたストロークがしやすいというメリットがあります。そして、カーボンシャフトに替えることで、ストロークの際のしなり具合が変わったり、インパクトの際に手に伝わる感触などの情報量も多くなります」(小倉)

小倉氏は、上記に挙げたメリットのなかでも感触を重視してスイッチしたのではないかという。

「硬くて重いシャフトを求めるならスチールシャフトのスペックを替えるだけで良かったと思います。あえてカーボンシャフトを選んだのは、TP135がカーボンのなかでも硬めの仕上がりで、おそらく松山選手の今までの振り幅や距離感覚で違和感が少なく、そのうえでカーボンシャフトが持つフィーリングの良さを得られたからではないでしょうか」(小倉)

ウィークポイントとよく指摘されるパッティングを、フィーリングの良いカーボンシャフトで補い好成績を出した松山。来週開催の海外メジャー「全米オープン」でのパッティングにも注目だ。

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