「P7MC」と「P770」、どう違う?
テーラーメイドアイアンのPシリーズのラインナップに、P770、P7MC、P7MBの計3モデルが新たに追加された。
それぞれ異なる性能を持つが、今回は3モデルのなかでも比較的寛容性があり、アマチュアゴルファーでも手を伸ばしやすいP7MCとP770の2モデルをピックアップ。両モデルを千葉県・太平洋クラブ八千代コースに持ち込み、プロゴルファー・中村修がドライバー換算でヘッドスピード45m/s前後となるような振り感で試打してもらった。
試打に際し、同施設内に設置された弾道計測器「トラックマン」を用いて計測、5球打った平均データを算出した。試打したのはいずれも7番、シャフトはダイナミックゴールドEXツアーイシューのS200フレックスを使用して行った。
シャープなハーフキャビティ「P7MC」
まずはP7MCから見ていこう。P7MCはハーフキャビティ形状だが、マッスルバックのような輪郭を持つアイアン。ロフト角は7番で34度となっている。見た目の印象はどうだろうか。
「まず、バックフェースの形状に懐かしさを感じますね。テーラーメイドが昔発売していたラックアイアンのような雰囲気を感じます」(中村、以下同)
と、往年の名器を思わせるシャープな形状を評価。その上で、5球試打した平均値を見てみよう。
キャリー:149.9ヤード
総飛距離:158.7ヤード
ボール初速:48.5m/s
打ち出し角:19.9度
スピン量:5874rpm
「ハーフキャビティなだけあって、当たったときの感触は分厚いです。スピン量、高さともにしっかり確保されていますね。ソールが薄いので上からクラブが入っても抜けが良さそうだし、ラフからでもしっかり打てそうです」
飛距離性能と寛容性、コンパクトな見た目を一挙に実現した「P770」
続いてP770を見ていこう。こちらは既存モデルP760やP790をブラッシュアップしたモデルで、中空構造の内部には46.5グラムのタングステンウェートを搭載(6、7番の場合)。貫通型スピードポケット、振動を抑える充填剤入りとテクノロジーが詰まった一本。ロフト角は7番で33度だ。
「様々なテクノロジーが搭載されていて、寛容性のあるモデルなんですが、見た目については非常にコンパクトです。ソールをP7MCと比べると、わずかにP770のほうが厚さがありますが、ほとんど変わらない薄さ。P7MCよりは、そこまで上から打つことを意識しなくてもいいのかなという感じです」
中村がP770を5球打った結果の平均値は以下の通り。
キャリー:153.5ヤード
総飛距離:163.7ヤード
ボール初速:48.6m/s
打ち出し角:19.2度
スピン量:5254rpm
「P7MCと比較すると、やや低スピンですね。それもあってP770のほうがやや飛距離が出ています。ただ打ち出し角が確保されているので、ボールは高さで止まってくれそうです。打感は多少弾き感はありますが、そこまで硬くはありませんね」
2モデルの試打を終えた中村は、「飛距離を多少でも稼ぎたいならP770、キレのあるアイアンショットが打ちたいならP7MCですね」という。また、2モデルを組み合わせてセッティングするのも十分アリだという。
「両モデルを比較すると、ネックの長さやフェース長はほぼ同じ。ソール幅もP770のほうがわずかに厚いですが、似通っているので違和感も少ないでしょう。たとえば、6番まではP7MCを入れて、5番はP770を採用、というように組み合わせて使うこともできそうですね」
飛距離性能と寛容性を持ち合わせつつ、コンパクトな形状を目指した2モデル。それぞれ打ち比べて確かめてみてはいかがだろうか。