前半はパープレーも、後半「42」とスコアを崩す
現地時間8時30分にスタートした渋野選手。天候は晴れで気温はどんどん上がり40度にまでなるコンディションでした。結果を先に見れば6オーバー「78」と悔しい内容となった最終日のプレーを振り返っていきましょう。
前半は2番のパー5でバーディが先行しますが3番でボギー。ただ、ショットに前日と違ってキレがありません。耐えながら8番でチャンスにつけますがバーディパットを外し、9番パー5でもバーディを奪えずにパープレーで折り返します。
アイアンショットも全体的にショート気味で、パットのライン読みもひと筋のズレがあるようです。今季初の予選通過から3日目は67と会心のプレーでしたが、バミューダ芝の硬く速いグリーンに強いラフというメジャーのセッティングにプラスして暑さが加わり、疲れが見えます。
後半の出だしにバーディを奪い、チャージにつなげるのが渋野選手のパターンですが、逆に10番で3パットのボギー、11番のパー5でもバーディが取れず、流れを引き寄せることができません。
12番ボギー、13番ではバンカー越えのアプローチをバンカーに入れてしまい、そこから寄せるもボギーパットをはずしダブルボギー、14番パー3は3パットでボギーと、こらえきれずにこの3ホールだけで4オーバーとスコアを崩してしまいます。
16番でもボギーを叩き、最終ホールのパー5では3打目を傾斜を使ってピンそばに寄せますが、バーディパットをカップに蹴られパー。後半はショット、パットともに精彩を欠き「42」というスコア。トータル6オーバーの78、4日間トータルで2オーバーでANAインスピレーションの戦いを終えました。集中力を欠いてスコアを保てるほど、メジャーのセッティングは甘くはありませんでした。
課題は4日間の安定感
昨日のラウンド後の会見で「最終日は攻める」と話していましたが、攻めたい気持ちに結果が伴わないもどかしさを感じさせるラウンドになりました。終了後の会見でプレーを振り返り、昨日は「67」今日は「78」と、1日で11打もスコアが変わってしまうことはプロとして結果が出せないと語りました。
上位には、4日間アンダーパーを並べた選手が揃っています。他のプレーヤーとの差はどんなところにあるかと質問してみました。
「昨日のゴルフが4日間できれば上位には食い込めると思いますが、安定感がまったくないですし、爆発力もあるわけじゃない。飛距離も足りないと思うし、スピン量もそうですし足りないものが多すぎるので。経験も必要なのかなと感じ、足りないものばかりだなと思います」
この4日間をスタッツから振り返ってみると、やはり3日目のパーオン率とパット数が光っています。メジャーのセッティングの中で5アンダーでプレーできたことは不調だったアイアンショットやショートゲームの復調を感じさせてくれました。スコットランドの2試合を予選落ちで終え、米国に移動してからの2週間を自分の頭で考え練習した成果の表れといえます。
ただ、初めてのアメリカでの試合で今季初の予選通過をし4日間戦ったことで収穫は多かったと思います。本人も話していましたが、4日間戦うのは昨年の11月以来の10か月ぶり。4日間で体やメンタル、プレー内容がどう移り変わるのか久しぶりに感じたことも多かったのではないでしょうか。
試合の中で思い通りに打てるショットの回数も増え、ミスをしてもリカバリーできるようにもなっています。あとはミスを引きずらずに流れが悪い時間帯に耐えてチャンスを待つメンタルは試合の中で思い出していくと思います。
初日 | 2日目 | 3日目 | 最終日 | トータル | |
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フェアウェイヒット数 | 8//14 | 9/14 | 9/14 | 6/14 | 32/56 |
ドライビングディスタンス | 251.00 | 265.00 | 264.00 | 287.00 | 267.00 |
ラウンド毎のパット数 | 28 | 29 | 25 | 33 | 28 |
パーオン数 | 12/18 | 9/18 | 12/18 | 9/18 | 42/72 |
サンドセーブ数 | 0/0 | 2/5 | 1/1 | 2/3 | 5/9 |
この後、「キャンビア・ポートランドクラシック」、1週空けて「ショップライトLPGAクラシック」そしてメジャー3戦目「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」と、約1か月アメリカを転戦する予定の渋野日向子選手。慣れない環境での戦いが続きますが、畑岡奈紗選手も参戦初年度は苦労したように、誰もが通らなければならない道。目標とする来季の米女子ツアー参戦に向けて渋野日向子選手の挑戦は続きます。