「一人予約」ではなく「一人ゴルフ」。一人でプレーできる
リソルゴルフの6つのゴルフ場で7月からスタートしている「SOLO-GOLF」。一人予約が、他の一人客と組み合わせになるのに対して、このサービスは一組一人でプレーする「一人ゴルフ」を行うことができる。他人との接触が減らせるため、3密対策にもなるという。サービスが9月いっぱいということで、取り急ぎプレーを体験しに行ってみた。
場所は埼玉県の北武蔵カントリークラブ。群馬との県境付近にあり、比較的アップダウンがある丘陵コースだ。プレースタイルは、午後からのハーフで乗用カートを使用する。当然のことながら、プレー中は全て自分でやらなければならない。カートの運転にしても、ボール拭きの用意にしても、3〜4人で回っているときは、意外とみんなで分担して行ってるのだなと改めて感じた。
「SOLO-GOLF」の面白いところは、2度まで打ち直しOKとしているところ。“2回打てれば、ゴルフは簡単”という言葉があるが、大ダフリしたり、バンカーから脱出できなかったりしたら、もう一度打ち直しすれば良いのだ。たとえば、ティショットが少し左にいってラフにいったとしたら、打ち直しで少し逃して打ってみるといったトライもできる。これは、より実践的な練習になりそうだ。
北武蔵カントリークラブは、ドッグレッグや強烈な打ち下ろしのパー3など、変化に飛んだコースレイアウトで、グリーンは小さめで砲台になっているところが多い。そこで、最初はユーティリティでフェアウェイに置き、二回目ではドライバーで、ドッグレッグのショートカットを狙ってみたり、番手選びに悩むパー3で、番手を変えて2発打ってみるのも良いだろう。アプローチも上げてみたり、手前から砲台グリーンを駆け上がってみたり、色々試してみると面白い。なんとなく、ツアープロの練習ラウンドのような雰囲気が味わえるかもしれない。
筆者も打ち直しOKのルールを利用して、2つのパー5で2オンを狙ってみた。ちなみに、いつものラウンドなら、ガードバンカーの手前に刻んでアプローチで勝負することが多い。それがパーを取れる確率が高いからだ。長いクラブをグリーンに届かせようと振り回すと、大きなミスにつながりやすい。
OUT7番パー5の2打目、残り230yから3Wを振り回してみたところ、結果は、1発目は手前のバンカーに入ったが、2打目はピンの横、4mくらいにグリーンオンすることが出来た。もちろん普段なら、こんなスーパーショットは出ることがない。一度目の失敗を踏まえて狙い所を変えたことと、2回打てる気楽さが良い結果につながったのだろう。
この辺は、打ち直しのできるゴルフの醍醐味だ。リスクを負って、パー5の2オンを狙うチャレンジが楽しめるし、よりアグレッシブに狙ってどれだけ成功するのか、自分の実力を量る事もできる。筆者のように、2回打てば成功する確率も高まる。こうした成功体験をつめば、次は一発勝負でも出来そうな気持ちになれるのではないだろうか。
北武蔵カントリークラブでは、「SOLO-GOLF」の利用客が何組も並ぶことがあるそうだ。筆者の感覚だと、「お一人ですか、良かったらご一緒しませんか?」と自然と2〜3人の組になりそうなものだが、一度も組み合わせになったことはないのだという。これは、利用している人たちが、一人でプレーすることに価値を感じているためだ。ただゴルフがしたい、というよりも、むしろ一人で周りたいゴルファーが利用しているようだ。
練習という観点で考えると、広々としたゴルフ場で、ただ自分とコースに向き合って、淡々とプレーし、自分の課題に取り組むこのスタイルは、最高の練習環境ではないだろうか。実際、一人でプレーしていると、コースの景色や自分の心の動きなどが、よりはっきりと感じることができる。
ゴルファーには、年齢と関係なく、100切りや90切りなど自分の課題に向かって情熱を傾ける、言わばゴルファーの青春時代とでも呼べるものがある。様々な情報を収集し、とにかく上手くなることに取り組む時期だ。そんな上達志向のゴルファーが、ストイックに練習に取り組むのに、一人ゴルフはぴったりではないかと思う。
打ち直していたら、スロープレーになるのではと心配する人もいるかもしれないが、実際は一人ゴルフだと、プレー時間はかなり早い。前の組が3〜4人なら、待ちながらプレーになるだろう。その分、前のホールのミスの反省やスイングのチェックポイントの確認など、その時間を有効に使えそうだ。フェアウェイで目土をして回る余裕も十分にある。
「SOLO-GOLF」は、9月いっぱいでサービス終了ということだが、北武蔵カントリークラブは好評のため、12月頃まで続けたいとのことだ。一緒に回るメンバーと予定を合わせづらい人はもちろんだが、より実戦的な環境で練習したいゴルファーにオススメしたいスタイルだ。