松山、今平1オーバー、石川、金谷2オーバーで初日をプレー
今回の全米オープンの開催コース、ウィングドフットGCは、深いラフにアンジュレーションの強い高速砲台グリーン、深いバンカーなど、ゴルフの難易度を上げる要素がふんだんに盛り込まれたコース。石川遼、金谷拓実の両選手も今までプレーした中で一番難しいコースと警戒心を強めていました。とくにグリーンは難しく、1.5メートルのパットが50センチも曲がる。そんなラインもザラに存在していました。
前回2006年の優勝スコアは5オーバーであったので、サディスティックなゲーム展開になるかと思いましたが、初日はグリーンがややソフトでボールを止めやすかったことから、バーディを奪うシーンが多く見られました。
初日のリーダーボードを見ると、ジャスティン・トーマス、パトリック・リード、マシュー・ウルフ、ロリー・マキロイなど世界ランカーたちが名を連ねています。今季は変則的なスケジュールですが、しっかりと調子を整えメジャーに臨んでいるのはさすがのひと言です。
注目選手でいうと、ブライソン・デシャンボーやザンダー・シャウフェレなどもアンダーパーに位置しています。一方、世界ランク1位のダスティン・ジョンソンとタイガー・ウッズは3オーバー(71位タイ)、今年全米プロを制したコリン・モリカワは6オーバー(120位タイ)と出遅れています。また、グランドスラムに挑む50歳のフィル・ミケルソンは9オーバーと、厳しい順位となりました。
気になる日本勢は、松山英樹と今平周吾が24人が同スコアで並ぶ1オーバー33位タイ。石川遼、金谷拓実は2オーバー57位タイと全員が予選通過圏内で健闘しています。
松山英樹選手は相変わらずの抜群のアイアンショット、アプローチで見せ場を作っていましたが、グリーン上で少し苦労したようです。プレーオフ2戦目「BMW選手権」で調子のよかった黒い「ニューポート2」パターにカーボンシャフトのパターを投入していましたね。最終日に向けて調子を上げてくると思いますので、期待が高まります。
石川遼選手はティショットでできるだけラフに入れない、これだけだと思います。アイアンショットやアプローチの技はこのコースでも力強さを発揮すると思います。終了後の会見では、7500ヤードでパー70と距離が長く、オーガスタナショナルのようなグリーンの難しさも持つこのコースでの戦いについて、こんなふうに語っていました。
「5年ぶりに全米オープンに出場し今までプレーした中で一番難しいコースだと思いますし、すごくタフなテストだと思っています。今日はピンポジションがこのコースの中でもやさしいところに切ってありアンダーパーもでましたが、難しいピンポジション、難しいコンディションにコース側はいくらでもできると思いますが、楽しみにしています」(石川遼)
金谷拓実選手と同組でプレーした今平周吾選手は、ティショット、アイアンショットともに安定していました。いつも通り振り抜きのよいスウィングでフェアフェイ、グリーンをとらえていました。惜しいパットがいくつもあったので、明日以降ピンポジションが難しくなるとパット次第で順位は大きく変わってきそうです。
世界アマチュアランク1位でこの試合に臨んでいる金谷拓実選手はコースから受けるプレッシャーに負けずしっかりとクラブを振り切れていて、金谷選手らしい自分のプレースタイルに徹する姿が見られました。練習ラウンドをともにした松山英樹選手からもアドバイスをもらったといい、予選通過してベストアマを獲れるように頑張りたいと話しました。大いに期待したいですね。
まずは明日の予選通過が注目のポイントとなりますが、どの選手もショットの調子は悪くないので勝負はグリーン上にかかってくると思います。明日も眠い目をこするながらしっかりと見届けたいと思ういます。