ボギーの後にチップインバーディでバウンスバック
2日目のウイングドフットGCはピン位置が難しくなり、アンダーパーでプレーした選手は、2アンダーでプレーしたブライソン・デシャンボー、1アンダーでプレーしたバッバ・ワトソンと松山英樹とわずかに3名のみ。
風もあった2日目は、コースの長さ、ラフの深さに加え、難しいグリーンの端に切られたシビアな位置にピンが切られたことで、難易度が初日に比べてグッと高まっていました。
松山英樹は、10番インコーススタートの出だしからパーを重ねていきます。なかなかバーディが来ないなか、グリーン手前が大きく傾斜し、少しでもショートすると戻ってしまう18番でも、手前からスピンを操り1メートルくらいに寄せます。しかし、これを外し前半は1オーバーで折り返します。
終了後の会見では昨日よりグリーン上がタフなコンディションになり、このコースの本領を発揮してきたと話しました。実際に、今日のグリーンは画面で確認できるくらいの傾斜が見える段の近くにピンが切られていましたし、速さもありました。
そんなコンディションの中、後半の1番ではまさにこの全米オープンならではというチップインを決めます。段の手前のカラーの部分から段を越えてすぐのピンに対してウェッジを振り抜き、ピンよりも奥7メートルくらいから傾斜で戻しカップイン。ボギーの直後、バウンスバックのバーディです。思わず両手を挙げてガッツポーズをとる松山選手の顔には笑みが見られました。
12番で短いパットを外してボギーとしますが、上がりの8番、9番をバーディとして後半は2アンダーでこの日はトータル1アンダー。2日間トータルイーブンパー7位タイに順位をあげました。
深いラフやシビアなピン位置に苦しみながらも、飛距離と安定性の両立したティショット、ラフからでもボールを高く上げられるパワー、そしてスピンを自在に操るアプローチの高い技術に、改めて松山選手のレベルの高さを感じさせてくれました。優勝を狙える位置でスタートする決勝ラウンドが非常に楽しみです。
同組の初日にホールインワンを決めたパトリック・リードは2日目をイーブンパーでプレーし4アンダーで首位を守り、2位には2アンダーでプレーしたブライソン・デシャンボーが1打差で追走。ショットの荒れた初日トップのジャスティン・トーマスは3つ落として2アンダーで3位タイに後退、松山と同じ7位タイにはザンダー・シャウフェレ、マシュー・ウルフなどメジャー初優勝を狙う顔ぶれが並びます。
アプローチで耐えた今平、持てる力を出した石川
今平周吾選手は午前スタートで2バーディ6ボギーの4オーバーでプレーし、トータル5オーバーで海外メジャー初の予選通過を果たしました。グリーン周りのアプローチの貢献度が全体の18位と難コンディションをしっかりと耐えられたのが数字からもわかります。
そして石川遼選手。前半は3ボギー、後半1ボギーの4オーバーでプレーし、カットライン上のトータル6オーバーで予選を通過しました。とくに後半はカットラインぎりぎりのスコアの中、ティショットを曲げても3打目を寄せたり、2打目でグリーンを外してもアプローチで寄せる、アプローチが寄せられなければパットでリカバリーする、持てる力を使ってスコアを崩さずにプレーする姿が見られました。
会見では、昨日より3打くらい難しくなっている、4日間プレーすることで得られるものも大きく、7年ぶりの予選通過ということで7年前と同じようにプレーすることが大事だと話しました。
石川、今平両選手の予選通過は、世界の中で自分のレベルがどこに位置しているのか確認し、足りないもの、磨きをかけるものを持ち帰り練習を重ねてきたことの成果が出ているのだと思います。残り2日間を思い切りプレー姿を見せて欲しいですね。
松山英樹は優勝争い、今平・石川遼選手は上位進出に向けた戦いとなる3日目。惜しくもアマチュアの金谷拓実選手は1打足らずに予選落ちとなってしまいましたが、日本人3選手のプレーに大いに期待したいと思います。