米女子ツアー「カンビア ポートランド クラシック」の最終日、渋野日向子は4バーディ1ダブルボギーの2アンダーでプレーし3日間トータル6アンダー暫定24位タイでホールアウト。復調を見せるプレーをプロゴルファー・中村修がレポート。

最終日に2つスコアを伸ばして24位タイでフィニッシュ

最終日の渋野選手は、ショットの調子は前日ほどキレてはいませんでしたが……というより前日のショット内容が良すぎた分、少し悪く見えただけでスタッツを見ると決して悪くはなく、たしかな復調を感じさせてくれるプレーを見せてくれました。

画像: 「カンビア ポートランド クラシック」の最終日でスコアを2つ伸ばし、24位タイで終えた渋野日向子(写真は2020年のANAインスピレーション 写真/LPGA GettyImages)

「カンビア ポートランド クラシック」の最終日でスコアを2つ伸ばし、24位タイで終えた渋野日向子(写真は2020年のANAインスピレーション 写真/LPGA GettyImages)

今日の同伴プレーヤーは全英女子オープン(AIGオープン)優勝のソフィア・ポポフ。図らずも、2019年、2020年の全英女王の豪華ペアリングで、現地時間9時37分にスタートしていきました。

幸先よく2番で3メートルのバーディを決めますが、3番でトラブル。右の林に打ち込み、フェアウェイに戻して打った3打目がピンをオーバー。40センチくらいの「お先に」のボギーパットを外してしまい、ダブルボギーにします。

しかし、ここからは落ち着いてパーを重ねます。4番では返しの1.5メートルを決め、6番では下りの傾斜のアプローチを5、6メートルオーバーするもこれを決めてパーで切り抜けます。流れを切らさず7番でバーディとしパープレーで折り返します。

後半は10番のパー5でバーディを先行させると、14番、15番といいパーをセーブし、17番では右のつま先下がりのラフからカップをなめるスーパーショットを披露し、4つ目のバーディ。最終18番をパーで終え後半は2アンダー、この日は2つスコアを伸ばしますが順位は前日の21位タイから24位タイへと落として3日間を終えました。終了後の会見では、こう振り返りました。

「今日はちょっと”チャーシューメン”効果がなかったかな。昨日ほどいいリズムで打てませんでしたがその割には距離も出ていましたし、アイアンに関しても距離も出ていて縦距離は合っていたと思います。左右がブレていたのでシビアなパーパットを残す場面が多かったのですがそれをしっかり決めることができてよかったです」

1ラウンド2ラウンド3ラウンドトータル
フェアウェイキープ率12/1311/149/1432/41
ドライビングディスタンス250249260253
パット数29292929
パーオン率11/1814/1813/1838/54
サンドセーブ率1/11/11/23/4
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前日は好調なショットでバーディチャンスを量産するもパットを決めきれないシーンが多く見られましたが、今日のラウンドではシビアな距離のパーパットを3番以外はすべて決めました。前後左右にエッジから4ヤードしかないようなシビアなピン位置に対しても攻め続け、最終日のバックナインでスコアを伸ばす姿も見せてくれました。

昨年ツアールーキーで参戦し5月の「サロンパスカップ」で優勝したあとに交わした青木翔コーチとの会話が思い出されます。「渋野は試合の中で成長するスピードが驚くほど速く、まさかこんなに早く優勝できるとは思っていませんでした」そのとき、青木コーチはこう語ってくれました。

来年度の米ツアー参戦を目指して海外に戦いの場を求め、2戦連続予選落ちとドン底を見たスコットランドでの2戦を乗り越え、渡米して以降は確実に調子を取り戻していますが、海外の試合の中で成長しているのが、毎週彼女のプレーをウォッチしている私にもよくわかります。

会見で海外での4戦で学んだことを聞かれると、渋野選手はこう答えています。

「我慢ができるようになったことかな。イギリスの2試合では我慢できなかった、気持ち的にも落ち込んでいってしまったが、アメリカでは少しづつ自分を取り戻してきました」

調子が良くなってきた理由や我慢のゴルフができるようになってきた理由はわからないが、試合を重ねることで昨年の自分がどういう感じで試合をしていたのかというのを思い出せている。一打一打に対してイギリスでの試合よりは緊張しなくなった、と話しました。

このあと1週を空けて10月1日から始まる「ショップライトLPGAクラシック」、10月8日からはメジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」と転戦は続きます。1試合づつ成長する渋野選手の姿を楽しみにしましょう!

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