6戦中3戦予選落ちも3戦で1100万円余りを稼ぐ
西村優菜選手といえばプラチナ世代の安田祐香、古江彩佳、吉田優利選手らとともに、アマチュア時代にナショナルチームで世界の大会に出場し活躍してきました。
2016年には全日本女子パブリック選手権を制し、18年には「トヨタジュニアワールドカップゴルフ2018」で団体優勝、個人戦でも3位に入るなどその実力は折り紙つき。昨年のプロテストを2位で通過しQT(予選会)も最終日に21位へと順位を上げて通過。今季の参加資格を得ました。
スタッツを見て注目したのはフェアウェイキープ率です。現在2位(70.129%)と非常に高い数字です。なみいる先輩たちの間に割って入るドライバーショットの上手さは、どのようなスウィングに支えられているのでしょうか。見てみましょう。
まずは画像Aをご覧ください。グリップは、左手のナックルが二つ見えるスクェアグリップで握ります。スタンス幅、手元の位置、ボールよりも右側にセットした頭の位置など、オーソドックスでお手本になるアドレスです。
そこから右の股関節の上に胸を乗せるようにしっかりと体重を乗せ、背中がターゲットを向くようにテークバックします。画像右の右足で地面を踏みしめしっかりと加重されていることが見て取れますね。トップでのフェースの向きはスクェアからシャットの中間です。
続いて画像Bをご覧ください。トップで右にしっかりと加重され蓄えたエネルギーを、左足を踏みこんで切り返すことで回転力に変換しています。画像左では下半身が先行してほぼ正面に向いていますが、上半身の肩のラインはまだ右側を向いているのがわかります。捻転差がしっかりと作れていますね。
ダウンスウィングを通じて帽子のつばの向きが大きく変わらないことから、上半身が開くことなくインサイドからクラブが下ろせていることがわかります。左手首の角度に注目すると、左腕と一直線でフラットな状態です。これは、フェースを開かずに下ろしているということ。そのまま、体の左サイドを止めずにインパクトまで回転し続けています。
画像右ですでにフェースはすでにボールを向き、長いインパクトゾーンを作っていることがわかります。
インパクト直後の画像Cのフェースの向きを見るとボールを押し込んで運ぶように使えています。手首をこねず、速い段階でフェースの向きをボールに向け、体の回転で振り抜くことで高いフェアウェイキープ率を誇っていることが、どの画像を見ても納得させられます。
150センチと小柄な体形ですが自分の持ち味、プレースタイル、マネジメントを熟知していることで成績を残せているのでしょう。ツアーのセッティングに慣れパッティングやショートゲームの技術が向上すれば、今後さらに上位に顔を出すことは間違いないでしょう。
吉本ひかる、蛭田みな美らと同じ中島敏雅コーチの門下生だけあって方向性、スウィングの安定性が高いプレーヤーです。今シーズンの活躍が楽しみです。