笹生、小祝はともに平均ストローク60台のハイレベルな争い
渡邉彩香の感動的な復活劇で幕を開けた今季の女子ツアーは、6戦を終えて5人のチャンピオンが誕生している。渡邉に加えて2戦目となった「NEC軽井沢72」から2連勝を果たしたルーキーの笹生優花、小祝さくら、永峰咲希、古江彩佳という面々だ。
現在の賞金ランクを見ると、1位はやはり笹生で、早くも6000万円超を稼ぎ出している。2位は優勝賞金4320万円の高額賞金大会を制したこともあり渡邉。3位永峰、4位小祝と続いている。
ゴルフの調子が数字として表れる平均ストロークの項目を見ると、ここでも1位は笹生で69.3810。そして、2位には小祝が69.7000で続く。
平均ストロークは昨年シン・ジエが史上初めて70台を切る「69.9399」という数字を達成したことで話題となったが、笹生、小祝の二人だけが現在平均ストローク60台を記録しており、好調さを裏付ける。
2000年度生まれのプラチナ世代として昨年アマチュア優勝を果たし、同世代が多数プロ入りした今季、プロとして世代初優勝を飾った古江彩佳も70.1053で3位につけており、プラチナ世代としていち早くプロの世界で結果を出した確かな実力を示し、世代を引っ張っている。
また、宮里美香、藤田さいき、酒井美紀といったベテラン・中堅勢も元気だ。それぞれ平均ストロークで4、5、6位につけており、宮里に関しては賞金ランクこそ27位ながらここまで予選落ちなし、5試合で20位以内と際立った安定感を見せている。
高校卒業後アメリカに渡り、アメリカツアーで戦って勝利も挙げ、2010年と2013年の日本女子オープン覇者でもある日米通算3勝の宮里のプロ入会は2019年で、日本女子プロゴルフ協会の制度上未勝利扱い。“初優勝”にも期待がかかる。
また、昨年の賞金女王の鈴木愛は賞金ランク7位、平均ストロークでも7位につけているが、今季はパット名手がグリーン上に苦しんでいる。グリップを替えたり、様々なパターをテストするなど試行錯誤をしながらでもこの順位にいるのはさすが。まだ未勝利だが、もちろんこのままでは終わらないだろう。
そして、現在米女子ツアーを転戦している渋野日向子も10月30日開幕の「樋口久子・三菱電機レディース」からの日本ツアー復帰の意向を表明しているから、こちらも注目だ。
女子ツアーはまだまだ始まったばかり。2021年まで続く長丁場では、実力はもちろん、体力、気力、怪我をしないことなど、様々な要素が求められるはず。
順調に行けばシーズン終了は1年2カ月後。そのとき主役の座に座っているのは、果たして誰か……?