心の中で唱えることで、リズムを一定に保つことができる
「カンビアポートランドクラシック」の2日目にバーディチャンスを量産し「今季一番のゴルフができた」と話した渋野日向子選手。
「今週はリズムをすごく考えて打っていて、口には出さないですけど心の中で”チャーシューメン”と言いながら36ホール回っていたので、それがマッチしてくれたのが本当に良かったですね」とコメント。以前から「チャーシューメン」のリズムで練習していたそうですが、このリズムに関して、青木翔コーチから以前、重要なポイントを教えてもらいました。
それは、正しくは「チャーシューメン」ではなく「チャーシューメーン」だということです。「メン」と「メーン」でどう違うのでしょうか? スウィングを「チャー」と「シュー」と「メーン」の三つに分けて、詳しく解説していきます。
そもそも、チャーシューメンのリズムとはどのようなものでしょうか。「チャー」でクラブが動き始め「シュー」でトップ、「メーン」でインパクトと思っている人が多いと思いますが、渋野日向子選手の場合は実は違います。
「チャー」ではクラブは動かずに「シュー」で動き始めます。では「チャー」で何をしているかというと、手元をターゲット方向に少し動かすフォワードプレスや足踏みをしたりする、いわゆる始動するための反動をつける予備動作を「チャー」で行っているのです。
足裏の圧力を測る機械で計測したデータを見ると、どのプロゴルファーもクラブが動き始める前に左足に圧力がかかっていることが確認できます。画像Aをよく見てみると、ほとんど同じ写真に見えますが、右のほうがほんのわずかですが態勢が低くなりクラブが動き始める前の予備動作に入っていることが確認できます。
そして肝心のリズムは足で作っていると青木翔コーチ。渋野選手の場合は、意識はしていないものの足を左右に地面を踏み込むような動作でタイミングを取りながら「チャー」で始動前の反動を作っています。
続いて2つ目のポイントは「シュー」で行うテークバックです。「シュー」は次の「メーン」に向けた準備段階になりますので、チャー」で作ったリズムを崩さないようにすることがポイントです。具体的には「チャー」と同じかそれより少し長く欲しいところ。「チャー」よりも短くならないことが大切です。下半身で作った反動で始動し、手先で上げるのではなく腰や背中が始動から動き出すイメージを持ちます。
そして3つ目のポイントは「メン」ではなく「メーン」です。インパクトの一瞬に力を集約する「メン」というイメージではなく、切り返しからフィニッシュに向けて長く「メーン」と唱えながら振り抜くイメージです。そうすることでインパクトを長いゾーンのようにとることであったり、ボールをターゲットに運ぶようなイメージも湧いてくるはずです。
前のホールでつまらないボギーやダボを叩いたとき、ホールからのプレッシャーや風などのコンディション、先に打った同伴プレーヤーがすごく飛ばしたことなど、ラウンド中にスウィングのリズムが崩れる原因はいくつもあります。
そういうときにこそ「チャーシューメーン」と唱えることで、スウィングの再現性を高めスムーズでいつも通りのスウィングをすることを助けてくれます。ドライバーショットだけでなくアプローチやパッティングでも効果があるのでお試しください。チャーシューメーン」じゃなくても「タンタンメーン」でも自分なりのワードを見つけるのも楽しいですよ。