今大会の予選ラウンドを単独首位で終えた畑岡奈紗選手。高いショット力、アプローチの技術、転がりが不安定なポアナ芝のグリーンへの対応と、どれをとっても米ツアーで揉まれたレベルの高さを感じさせるプレーぶりでした。
決勝ラウンドの2日間はショット、パットに苦しみながら、それでも3日目は1打、最終日は2打伸ばして終えるメンタル面の強さ、ラウンド中の修正力からは、米ツアーで結果を残してきた世界ランク8位の実力を改めて感じさせました。残念ながら優勝には届きませんでしたが、次週のメジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」には手ごたえを持って臨めるのではないでしょうか。
1日目 | 2日目 | 3日目 | 最終日 | 合計 | |
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フェアウェイキープ数 | 10/14 | 12/14 | 11/14 | 5/14 | 38/56 |
平均飛距離 | 261.00 | 242.00 | 251.00 | 258.00 | 253.00 |
1ラウンドあたりのパット数 | 27 | 31 | 31 | 27 | 29 |
パーオン数 | 15/18 | 17/18 | 13/18 | 9/18 | 54/72 |
サンドセーブ数 | 1/1 | 0/0 | 1/1 | 0/1 | 2/3 |
渋野日向子選手は27位タイで4日間を終えました。16番を終えて2バーディ、3ボギーとスコアを1つ落とす展開でしたが、17番のパー3ではあわやホールインワンのショットでバーディ、最終ホールパー5では2打目をピン1メートル弱につけイーグルと、上がり2ホールで3打伸ばして笑顔でホールアウトしました。
ショットに関しては、スピンバックしてしまうほど柔らかいグリーンに対しての対応や、前後左右に振られたピン位置に対して試合を重ねるごとに対応力が増していると感じましたが、順手に戻したパッティングでは苦労しました。
思ったところに打ち出しても思った通りに転がってくれないグリーンにボディブローのようにメンタルを削られる様子がプレーからは感じられました。こればかりは、日本の試合では経験できないこと受け入れ、切り替える術を学んで行くしかないのでしょう。要は場数を踏んで慣れるしかありません。これは、今大会を40位タイで終えた河本結選手にも言えると思います。まだまだ実力を100%発揮できておらず、これは仕方のないことです。厳しい環境に身を置くことを選択したことは今後のゴルフ人生にとって貴重な経験になるはずです。
1日目 | 2日目 | 3日目 | 最終日 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
フェアウェイキープ数 | 12/14 | 10/14 | 10/14 | 11/14 | 43/56 |
平均飛距離 | 238.00 | 245.00 | 257.00 | 258.00 | 249.00 |
1ラウンドあたりのパット数 | 30 | 32 | 30 | 31 | 30 |
パーオン数 | 14/18 | 13/18 | 13/18 | 13/18 | 53/72 |
サンドセーブ数 | 0/0 | 0/0 | 0/1 | 0/1 | 0/2 |
世界のトップ選手として米ツアーでも上位で戦う畑岡奈紗選手ですが、参戦初年度の2017年は19試合に出場して、棄権を含めて予選落ち12回。どん底を味わっていました。その頃、お父さんの仁一さんから、こんなお話をうかがったことがあります。
「慣れない食事に困っているだろうからと日本から醤油を託されたんです、ところが奈紗は使わなかったんです。『米国の与えられた環境でやっていくんだから、せっかく持ってきてもらったけど醤油は使わない』。これには、この子は本気なんだと実感しました」
米ツアーで戦うにはどれだけの覚悟が必要なのか、結果を出せない苦しみから這い上がった畑岡奈紗選手の成長や強さの根源となっているエピソードとして強く印象に残っています。
渋野選手は、米ツアーにスポット的に参戦している状況です。岡本綾子、小林浩美、福嶋晃子、宮里藍、上田桃子、有村智恵、畑岡奈紗……多くの先駆者たちが歩んできた道を、今まさに歩き始めた直後。もっといえば、正式にメンバーとなってからが本当の戦いだと思います。
そうは言ってもなにをやってのけるか通常の物差しでは計り切れないのが渋野選手の魅力。来週のKPMG全米女子プロゴルフ選手権も、日本人選手たちの活躍を楽しみにしたいですね。