「日本女子オープン」で最終日に激闘を繰り広げた原英莉花と小祝さくら。最終的に原が勝利をつかんだが、グリーン上でちょっと珍しい光景が見られた。二人とも、グローブを外さないでパッティングしていたのだ。このスタイル、アマチュアにもメリットある?プロゴルファー・中井学に聞いてみた。

「ゆるまない」のがメリット

ゴルファーならばご存知の通り、グローブをつけたままパットする人はプロでもアマでも少数派。だが、今をときめく黄金世代ふたりがやっているとなると、ついつい気になってしまう。

そもそも、グローブを外さずにパットすることにはどんなメリットがあるのだろうか。プロゴルファー・中井学はこのように語る。

「『ゆるまない』こと、『ショットやアプローチと同じようにストロークしたい』ことのふたつがグローブをつけたままパッティングするメリットとして考えられると思います。とくに、男子に比べて女子のほうが握力が弱いため、グローブをしたままのほうがしっかり持てる感覚を強く感じられるのではないでしょうか」

たとえば、下りの速いラインをイメージしてもらいたい。ついついオーバーを怖がって、大ショートしてしまいやすい場面だが、なぜ大ショートしてしまうかと言えば、それはストローク中に”ゆるむ”ことが大きな原因だ。このゆるみは「プロにとってもグリーン上で一番怖いこと」だと中井はいう。

画像: グローブをつけたままパッティングしていた原英莉花(写真は2020年の日本女子オープン 撮影/有原裕晶)

グローブをつけたままパッティングしていた原英莉花(写真は2020年の日本女子オープン 撮影/有原裕晶)

「グリーン上では、力むよりゆるむほうがミスにつながります。グローブをつけておけば、しっかり握れるぶんだけゆるみにくい。つまり、ミスになりにくいんです。なので、ゆるんでミスをしてしまうというアマチュアの方も参考にしていいと思いますよ」

また、最近のギアの傾向も、グローブを外さないメリットを強調すると中井は分析する。

「最近は“転がる”パターが増えてきていますが、逆に『転がりすぎてしまう』から余計にゆるんでしまうということが起きやすいんです。繰り返しになりますが、短い距離でもゆるまずしっかりストロークするのが成功のコツ。だからこそ、グローブをつけたままのパットを試してみる価値はあると思います」

パターを変えたらどうにもグリーン上で調子が出ない。そんな人は、原英莉花、小祝さくらにあやかって、グローブを外さないパッティングを、ぜひお試しあれ。

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