今週開幕の海外女子メジャー3戦目「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」。渋野日向子は今大会で約2か月に及ぶ海外参戦の締めくくりとなるが、果たしてどんなプレーを見せてくれるのか。プロゴルファー・中村修が展望を語る。

グリーンでのプレーが重要なコース

今週開幕の海外女子メジャー3戦目「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」。渋野日向子にとっては、8月開催の「ASIスコットランド女子オープン」からの約2か月に及ぶ海外遠征全6戦の締めくくり、そして今季3戦目のメジャー大会となる。

画像: 今週開幕の海外メジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」に参戦する渋野日向子(写真は2019年のエリエールレディス 撮影/大澤進二)

今週開幕の海外メジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」に参戦する渋野日向子(写真は2019年のエリエールレディス 撮影/大澤進二)

連覇を狙った全英女子オープンでは予選落ちを喫したが、海外メジャー2戦目「ANAインスピレーション」からは3戦連続で予選通過。「プレー面でもショットに手応えを感じている、という印象がありますね」とプロゴルファー・中村修は言う。

そんな中迎えた今大会の舞台、ペンシルベニア州・アロニミンクGCの印象について、中村はこう語る。

「渋野選手を指導する青木翔コーチ、河本結選手を指導する目澤秀憲コーチ両名とも『コースがかなり難しい』と口をそろえています。たしかにいくつか距離の長いホールがありますし、フェアウェイに配置されたバンカー、そしてフェアウェイセンターや端のほうに大きな木が配置されているので、風が強くなると“空中のハザード”となってより狙いどころが狭くなってしまいそうですね」(中村、以下同)

さらに「グリーンの難易度も高い」と中村。

「グリーン自体が大きくかつアンジュレーションもあり、グリーンの速さも11.5フィートとスピードの出るセッティングです。スコアを作るためにはパッティングがカギとなるでしょう。グリーンのセッティングがタフなので、ピンを攻めつつもしっかりバーディチャンスを作れるラインを残せるようなアプローチ、そしてマネジメントが重要になりそうです。多少距離があったとしてもやさしいラインを残す、といったことができないと、厳しいパーパットを強いられ続けるゴルフとなり、どんどんメンタルが削られてしまいますからね」

セッティング自体は難しいものの「グリーンの芝の種類がベントであることは渋野選手にとって追い風となるのではないでしょうか」と中村は語る。

「前週の『ショップライトLPGAクラシック』のグリーンは慣れないポアナ芝で、転がりが不安定な点に苦しめられましたが、今週はその心配はありません。渋野選手にとってはスコットランドでの2戦、そしてアメリカでの3戦で学んできた成果を見せる機会と言えると思います」

ただ、過度な期待は禁物とも指摘する。

「まだまだ道半ば。2か月の海外遠征ですべてを経験できるわけもありませんから、今週も経験の週として、いろんなことを吸収して糧にしてほしいです」

とはいえ、「経験値を積む」ことが目的だった昨年の全英女子オープンを勝ったという実績を持つのが渋野日向子。ショットの状態は良く、グリーンとフィットすれば上位争いも……? とつい期待したくなってしまうというのも事実だ。

そして渋野だけでなく、米女子ツアーを主戦場にする畑岡奈紗、そして河本結にも注目してほしいと中村は言う。

「前週4位でフィニッシュした畑岡選手は、今週も十分上位を狙える調子の良さをキープした状態で乗り込んでくるでしょうし、河本選手も今週は目澤コーチが帯同しているので、これまでの試合でつかんだことやうまくいかなかったことについて話し合い、フィードバックして挑んでくるでしょう」

畑岡を筆頭に、渋野や河本がどんな戦いを見せてくれるか。今週末も目が離せない。

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