全米オープン覇者のブライソン・デシャンボーが好調なゴルフを続けています。ラスベガスで開催されている「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」の初日は9バーディ、ボギー無しの「62」(パー71)。
PGAツアー屈指の飛ばし屋3人衆という見応えのある注目組は期待通り350ヤードを越えるビッグドライブを連発、3人合わせて21個のバーディという初日でした。初日同組となった3人の昨シーズン平均飛距離は下記の通り。
ブライソン・デシャンボー(1位) 322.137ヤード
キャメロン・チャンプ(2位) 322.014ヤード
マシュー・ウルフ(9位) 311.628ヤード
PGAツアーでは平均飛距離を計測するのは毎試合2ホールのみとなっています。以前競技委員に計測ホールを選ぶ基準は?と尋ねたところ、「必ずしもパー5を選ぶということではありません。基本的にドライバーを使用するホールを選ぶようにしていますが、風の影響を考慮して2つのホールは逆に進んで行くホール2つを選んでいる」という返答をいただきました。ちなみに今週は4番ホール(パー4)と9番ホール(パー5)が計測ホールとなっています。初日の計測ホール争いの結果は以下。
キャメロン・チャンプ 356ヤード(355.9 / 356.7)
ブライソン・デシャンボー 352ヤード(351.7 / 352.5)
マシュー・ウルフ 328ヤード(301.8/ 354.4) ※4番は3番ウッドを使用
キャメロン・チャンプが一歩リードしたように見えますが、ラウンド中の最長飛距離は、デシャンボーが7番で放った361ヤードと一歩も譲りません。計測ホールだった9番ホールのトラックマン数値は下記の通りです。(TPCサマリンは標高820メートルの砂漠コース)
デシャンボー | チャンプ | ウルフ | |
測定ホール | 9番 | 9番 | 9番 |
ヘッドスピード(m/秒速) | 59.9 | 58.4 | 55.8 |
スピン量(rpm 回転数毎分) | 2775 | 2361 | 2271 |
打ち出し角度 | 13.7 | 9.6 | 12.1 |
ボール初速(メートル/秒速) | 86.9 | 86.2 | 81.6 |
飛距離(ヤード) | 352.5 | 356.7 | 354.4 |
ヘッドスピードとボールスピードはデシャンボーのほうが速かったですが、チャンプの低弾道はボールの転がりの分、飛んでいたというのがわかりますね。大会初日は早朝7時15分のインスタートだったという注目組は明日午後アウトスタートとなります。 明日の気温は午後には33度まで上がり、乾燥しているので380ヤードまたは390ヤードを越えるティショットの距離がでる可能性も十分あるでしょう。
9アンダーの首位で初日を終えたデシャンボーは「風がほとんど吹いていなかったので思い切りティショットをかっ飛ばして、ウェッジで上手く寄せることができた。しかしまだまだインパクト前後の動きは安定度が低いと感じているのでコースでもっと再現性が高くなるように練習を重ねたい」と話し満足げな笑顔を残して練習場に向かって行きました。
デシャンボーの9アンダー「62」という内容ですが、パーオンは16回、パット数は29と多めです。何故かというと9番、13番、16番と3つのパー5に加えて7番(381ヤード)、15番(314ヤード)のパー4のホールで1オンし、5ホールでイーグルチャンスを試みていたからです。 13番は6番アイアン、16番は9番アイアンで楽々2オン。 またグリーン上では3メートル以内のパット15回中全てを沈めるという安定度。 2年前に同大会を制した時は通算21アンダーというスコアでしたが、今週はどこまでスコアを伸ばしてくるのか楽しみです。
また今大会で48インチの長尺ドライバーを使用する可能性を全米オープン優勝時に示唆していたデシャンボーでしたが、今週は使用を見送っています。まだ納得のいくドライバーヘッドとシャフトのマッチングが未完成とのこと。 「ミサイルのようにすっ飛んでいくよ」と自慢げに話していましたが、 実際にどれぐらい飛ぶかという飛距離の数値は発表しません。しかし、ボール初速は時速200マイル(秒速88.9メートル)を越えるということです。
マスターズが開催されるオーガスタナショナルで使用するとなると気になるバンカーを越えてくるようになり1人だけまったく攻め方が違ってくるでしょう。今後はデシャンボーやコーチのクリス・コモ氏のSNSは要チェックですね。