今週開幕の日本オープンで優勝候補の一人として名前が挙がる1992年生まれの堀川未来夢。そのスウィングを見てみると、ドライバーとアイアンでアドレスが全然違う!? その理由に、プロゴルファー・中村修が迫った。

ドライバーはドロー、アイアンはフェードを打つ

20代の若手プレーヤーの中でも、星野陸也選手とならんで賞金王候補ともいえるのが堀川未来夢選手。賞金ランクも2017年51位、2018年19位、2019年は6位と右肩上がりで、ツアーを代表する選手の一人になっています。そんな堀川選手には、大きな特徴があります。ドライバーとアイアンで、スウィングを大きく変えているのです。

画像Aをご覧ください。左のドライバーのアドレスではハンドアップで遠くに立っていますが、右のアイアンでは手元を低く構えています。クラブの長さ云々を超えて、まったく異なるシステムで構えているのが一目瞭然です。この構えから、ドライバーではドロー、アイアンではフェードを打ってくるのが堀川選手の大きな特徴なのです。

ドライバーショットとその他のショットの大きな違いは、ボールが地面にあるか、ティアップすることにより空中にあるかの違いです。その違いがあるため、アイアンショットはクラブの最下点の手前でダウンブローに、ドライバーショットの場合はクラブの最下点の先でアッパーブローにとらえるのが正解になります。

画像: 左のドライバーと右のアイアンでアドレスの構え方が全然違う!(写真左は2020年のゴルフパートナーエキシビショントーナメント 写真/岡沢裕行 写真右は2020年のフジサンケイクラシック 写真/大澤進二)

左のドライバーと右のアイアンでアドレスの構え方が全然違う!(写真左は2020年のゴルフパートナーエキシビショントーナメント 写真/岡沢裕行 写真右は2020年のフジサンケイクラシック 写真/大澤進二)

そして、堀川選手いわく、地面にあるボールを打つ場合はややカット軌道のほうがレベルからダウンブローで打ちやすく、ティアップされたボールを打つ場合は、インサイドアウト軌道のほうがレベルからアッパーブローが打ちやすいのだと言います。そのため、アイアンではややカット軌道で打ちやすいようにハンドダウンで近くに立ち、ドライバーではインサイドアウト軌道が打ちやすいようにハンドアップで遠く立つんだそうです。

画像: 飛距離を求めるドライバーでは腕をねじように使い(左)、正確性を求めるアイアンでは腕はねじらずに縦方向に使う(右)(写真/有原裕晶)

飛距離を求めるドライバーでは腕をねじように使い(左)、正確性を求めるアイアンでは腕はねじらずに縦方向に使う(右)(写真/有原裕晶)

そして腕の使い方にも大きな違いがあります。飛距離を優先させるドライバーでは腕をねじるように、テークバックでは時計回りに12時から3時方向にねじり、ダウン以降は反時計回りで9時方向にねじる動きでフェースを開閉しながら打つといいます。

それに対して正確性を求めるアイアンでは腕はねじらずに手首を縦方向に動かすコックを使いフェースの開閉をおさえて打つと教えてくれました。

アイアンショットの場合は飛ばしたければ番手を上げることができますし、スピードがあって硬さもあるツアー仕様のグリーン上で止めるためには、フェードボールのほうが有利に働きます。逆にドライバーショットの場合、スピン量が少なくなり飛距離に有利に働くドローボールが優位性があります。

実感されている方も多いと思いますが、最近はドライバーの大型化・高慣性モーメント化が進み、以前よりもさらにドライバーとアイアンの“振り心地”に変化が生じています。プロでもそれに苦しみ、悩んでいる人がいますが、堀川選手のように見た目にもわかるくらいアドレスを変え、弾道を変えてしまうというのもひとつの合理的な方法でしょう。

ドライバーとアイアンはひとつのスウィング。そう決めつけないことが、ドライバーやアイアンショットの改善につながるかもしれません。試してみる価値はあると思います。

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