短いパー5で狙うのが基本
私事で恐縮だが、先だって数年ぶりにイーグルをマークすることが出来た。一応、片手シングルの末席に名を連ねる筆者であっても、イーグルはそうそう出るものではない。こんな機会は滅多にないと思うので、調子に乗って、アマチュアがイーグルを出すにはどうしたら良いかについて書いてみたい。「そんなに簡単にイーグルなんか、出るわけないだろう!」と真っ当なツッコミを入れながら、読んでいただきたい。
イーグルを狙うには、パー5の2打目がグリーンに乗るか、それに近いところまで運ばなければならない(※乗らない場合でも、チップインのチャンスがある)。筆者も飛ばないほうではないのだが、ホールのヤーデージが500ヤードを超えると、2オンの可能性はほぼない。
しかし、レギュラーティからであれば、500ヤードを切るパー5は少なくない。コースによっては450ヤード前後のパー5もある。イーグルを狙うなら、こうした短いパー5だ。筆者の場合は、神奈川県の茅ヶ崎ゴルフクラブの7番パー5、480ヤードだった。右に軽くドッグレッグしているホールで、右のバンカー越えに成功すると、ショートカットで残り距離が180ヤード以下になる。これなら2打目でグリーンを狙える確率が高くなる。
筆者もショートカットに成功し、2打目の残り距離は155ヤードだった。持ったクラブは8番アイアンで、これだけ短い番手が持てるとだいぶ有利になる。狙って取れるわけではもちろんないが、少なくともイーグルチャンスの確率は高まるわけだ。ピンの手前3メートルについたパットを決めて、数年ぶりのイーグルを達成した。
実は、パー4のほうが狙えるかも?
しかし、一般的なアマチュアにとって確率が高いのは、むしろパー4の2打目を直接カップインすることではないかと思う。350ヤード切る短いパー4は多く、場合によっては300ヤードを切るホールもある。そうなると、ウェッジで狙える残り距離だけに、なにかの弾みで入ってしまうこともあるはずだ。
パー5でのイーグルは、1打目、2打目、3打目(パット)と100点のショットが3回も必要になる。これはなかなかハードルが高いわけだが、パー4なら、2打目だけ120点のショットが出ればよいのだ。もちろんこれも確率はかなり低くはなるものの、その代わり、チャンスの数は格段に多いはずだ。
大事なのは、イーグルを“狙う”こと
イーグルを狙いましょうなどと言うと、真面目なゴルファーに怒られてしまいそうだが、狙わないと決める確率は下がるだろうと思う。成功したのは初めてだが、実はこれまでも同じホールのティーインググラウンドに立ったら、イーグルを意識していた。ドライバーで良いところに運べれば、2打目でグリーンが狙えるホールだからだ。
今回は、イーグルパットではもちろんのこと、セカンドを打つときでさえ、「イーグルを取るぞ」と念じながら打った。ここで「グリーンの近くまで運んで、あわよくばバーディーで」などと考えてしまうと、イーグルチャンスが来る確率は少なくだろうと思う。
ゴルフは、アクセルの踏み加減が大事なのだ。全開にすると事故の元だが、しっかり踏み込まなければスピードは出ない。このラウンドでは、「午後ハーフ」だったこともあり、積極的にピンを狙うゴルフを心がけていた。上手くいったのは本当にマグレだが、狙わないとマグレも起きないのだ。
ちなみにこの日は、9ホールで1イーグル3バーディーと大確変が起きた。大人になってからゴルフをはじめ、シングルになるのにも10数年を要した筆者のようにセンスと体力に恵まれないゴルファーでも、こんな弾みが起きるのがゴルフの面白いところだ。誰にだって、こんなラッキーが起きる可能性はある。
ゴルフ人生の思い出に
イーグルが出たところで、スコアが縮まるのはたったの2打でしかない。ひとつダボを打てば、貴重なイーグルもチャラになるのだ。しかし、ほとんどのアマチュアゴルファーにとって、一度のイーグルは自分のゴルフ人生にとって、忘れられない貴重な思い出になる。自分がクラブを置く時が来ても、ずっと覚えていられる良い記憶になるのではないだろうか。
広いところ、安全なところを意識してプレーするのが、スコアをまとめるコツ。それは間違いのないところだが、チャンスが到来したら、思い出作りにイーグルを狙ってほしいものだ。もちろん簡単ではないが、そんなミラクルが起きるのもゴルフの大きな魅力だからだ。