目標に正対しアウトサイドインで振り抜く
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。なかなかパーオンしない僕たちアマチュアは、やはりグリーン周りからいかにアプローチで寄せてパーを拾うかってのが大事になってきます。しかし、グリーンを外した場所によっては、かなり難しいライになることもあって、なかなかうまく寄せることができません。
特にグリーン奥に外してしまったりして、けっこうな左足下がりのラフにボールが止まったりしたらもう大変。ボールは上がらない、下りのグリーンは止まらないで、まず寄ることはないですよね。そもそも左足下がりのアプローチの打ち方も分からない……。
週刊ゴルフダイジェスト10/13号のマンガ「オーイ!とんぼ」になかなか面白い左足下がりのアプローチの打ち方が描かれていたので、本当にそんな事ができるのか? 試してみることにしました。

週刊ゴルフダイジェストで大人気連載中のマンガ「オーイ! とんぼ」で登場人物がやっていた、目標に正対する左足下がりのアプローチを実践!
「オーイ!とんぼ」といえば、僕の個人的な意見としては史上最高に面白くてタメになるゴルフマンガじゃないかと思うわけです。描かれている内容は、とても参考になることが多く、僕も今までいくつもの技や打ち方なんかを試してきましたが、本当に使えるものばかりでした。今回の左足下がりのアプローチも「え、そんな打ち方で寄るの?」って感じ。
普通、かなり傾斜のある左足下がりのアプローチでは「傾斜乗りに立つ」方法と「鉛直に立つ」方法があります。どちらも間違いではないようですが、けっこう急な傾斜だと斜面なりに立った場合、スウィングの途中にバランスが崩れたりして上手く打てないことが多い。なので、傾斜がきつい場合は鉛直気味に立つほうが良いわけですが、そのまま打とうとするとボールの後ろが高いので上手くクラブを入れることが難しいんです。無理に打とうとするとダフったり、トップしたりになるわけですね。

左のように傾斜なりに立つと、傾斜が急な場合はバランスを崩すこともあるので、右のように鉛直に立ったほうがいい
実は僕は以前に雑誌かなんかに載っていた左足下がりのアプローチのやり方を覚えていて、それをいつもやっているんです。それがアドレスで右足を引いて構えて打つ方法。こうすることでクラブをインサイドから振るスペースができて、ボールの後ろが高くてもクラブを入れていきやすいんです。この方法で今まではなかなかうまく行っていたのですが、難点はやっぱりボールがあまり上がらないこと。左足下がりのライですからボールが上がらないのは当たり前なのですが、それでもピンが近かったりすると少しでも柔らかい球が打ちたいわけですよ。

ターゲットに対して普通にアドレスしてから右足を後ろに引くと、クラブを振るスペースができるので振りやすくなる。これはこれで一度試してみてほしい
今回「とんぼ」に描かれていた打ち方ですが、まずアドレスからして驚かされます。体を目標に正対させて立つんです。体の正面を谷側に向けて立つということですね。もちろんかかと体重で鉛直に立つということです。そしてボールは体の右横に置き、そのまま打つ。いままでこんな打ち方をしている人をプロであれ、アマチュアであれ見たことがないですよね。本当にこの打ち方で上手く打てるのでしょうか?

左が普通のアドレス。右のように目標に正対してアドレスするのが「とんぼ」に載っていた打ち方
さっそく試してみましたが、ボールが体の真横にあるというのはかなりの違和感です。それで素振りをしてみましたが、斜面なりに振ろうとしても上手く振れません。ここで大事なことは斜面なりに振るのではなく、思いっきり外に上げて内に振り抜くこと。ヘッドが体から離れるように振り上げて、インパクト以降は体の前を通っていく感じです。目標に対してはかなりアウトサイドインということになりますね。そう振ると目標に正対していてもかなりスムーズにスウィングすることができます。
さっそく打ってみましたが、めちゃくちゃ打ちやすい。振り抜きがすごく良いし、ミスするイメージがないです。そしてありがたいのが、意外とフワッと柔らかめの球が打てるんですよ。なかなか左足下がりのライでこういう柔らかい球って打てない。これはやはりかなりアウトサイドインに振るからでしょうね。

写真では少しボールが体の横よりも後ろに来ていますが、このあたりから真横の間で自分の打ちやすい場所を見つけるといいと思います。傾斜の角度によってボールの位置とアウトサイドイン軌道の度合いを調整すると良さそう
注意点としてはやはり少しラフに浮いているくらいのほうが打ちやすいです。練習すれば芝が短めだったり、少し沈んでいても打てるのでしょうが、最初は少し浮いている感じの時に試してみることをおすすめします。
あと方向性ですが、かなりアウトサイドインに振るので、どっち方向に球が飛んでいくのかってことを練習で確認しておくほうが良いですね。あまり飛距離の出る打ち方ではないので、ピンが近めのときにこそ活躍してくれそうです。ぜひみなさんも習得して、同伴者をビビらせましょう!