普段「オッケーあり」でプレーしていると気がつかないが、アマチュアゴルファーは50センチのパットを一定の確率で外す。上り真っすぐのラインでも、100%入るとは断言できない。このもったいないとりこぼしはどうすれば防げるのか? プロキャディ・伊能恵子の意見はこうだ。

私がアマチュアゴルファーの方とラウンドする際に、よく「もったいないな~」と感じることのが1メートル以内のパットです。

たとえば10メートルのパーパットがカップを50センチオーバーしたところにつけられたらそれはナイスパットですし、ボギーで上がれる可能性が高いですよね。だけど、この返しの50センチを外して、結果ダボ……ということを見かけるんです。

距離があるファーストパットをせっかく寄せたのに、返しでカップインしきれないというようなスコアの”取りこぼし”がなくなってくると、スコアメークはずいぶんラクになると思います。

画像: 古閑美保、片岡大育らのキャディを務めた伊能恵子。江戸時代に日本地図を作った伊能忠敬の子孫としても有名(写真は2017年のダイヤモンドカップゴルフ 撮影/姉崎正)

古閑美保、片岡大育らのキャディを務めた伊能恵子。江戸時代に日本地図を作った伊能忠敬の子孫としても有名(写真は2017年のダイヤモンドカップゴルフ 撮影/姉崎正)

では、どうすればこの取りこぼしを防げるか?答えはシンプルで、本当は練習あるのみなんです。プロはゴルフをするのが仕事だから毎日のように練習していますし、取りこぼしが少ないのが当たり前。だけど、アマチュアゴルファーの場合はそもそも芝の上でパット練習する環境が少なく、ショットに比べて圧倒的に練習量は少ないですよね。

ただ、ご自宅でも取りこぼしを防ぐためにできる練習はあります。それが、毎回同じアドレスをする練習です。とくに意識してもらいたいのは自分の”目線”がどこを向いているか把握すること。

というのも、取りこぼしが起こる理由は、そもそも正しい方向を向いて構えられていないからという可能性があるからです。フェースをピッタリとカップに合わせていれば、そうそう50センチは外れません。それが外れるということは、カップにしっかりと向けていない可能性があるわけです。

画像: 目線と肩のラインなどをチェックできる練習器具(アイラインゴルフ パッティングミラー)を使用する松山英樹。毎日のように練習やプレーをするプロでも、目線のズレなどはチェックしている(2019年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

目線と肩のラインなどをチェックできる練習器具(アイラインゴルフ パッティングミラー)を使用する松山英樹。毎日のように練習やプレーをするプロでも、目線のズレなどはチェックしている(2019年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

目線を揃えるためには、毎回同じように目の位置がボールの真上にきていなければなりませんが、真上に目があるかどうかは自分では意外とわかりませんし、コーチなどでもわからないことがほとんど。

だからこそ、プロはパッティング練習時に鏡などの練習器具を置いて、アドレス時の目の位置や、目線がどこを向いているかチェックしています。専用の鏡は必要となりますが、短いパットのとりこぼしが多いという人は購入するのもアリかもしれません。

目の位置や目線といったものをセルフチェックすることで、自分の感覚と実際のギャップを埋めることができますし、不調になったときに自分自身で修正もしやすくなります。最近パットの調子がどうも悪いと調べてみたら、目の位置や目線がズレていた、ということはプロにでも起こり得ます。

10センチでも300ヤードでもスコアメークという意味ではどちらも大切な1打に変わりありません。ストロークの練習も大事だとは思いますが、まずは毎回同じようにアドレスができるように自宅で目線のチェックからしてみはいかがでしょうか?

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