自動車部品などの試作開発を手掛ける「伊藤木型製作所」が制作したオリジナルパター「DungBeetle(ダングビートル)」がクラウドファンディングサイトで話題となっている。自動車部品メーカーがいったいなぜパター? 企画開発の経緯を担当者に聞いた。

ゴルフ好きの一声から生まれたオリジナルパター

インターネットを活用して、特定の活動に対して賛同した不特定多数から資金を集める仕組み、クラウドファンディング。これを利用し、多くの支援を集めていることで話題となっているのが、伊藤木型製作所が制作したオリジナルパター「DungBeetle(ダングビートル)」だ。

画像: 伊藤木型製作所「DungBeetle(ダングビートル)」パター

伊藤木型製作所「DungBeetle(ダングビートル)」パター

球を転がしてカップに入れるイメージから、フンコロガシの英名を由来としたこのパター、2020年10月21日17時時点で、目標金額30万円の約5倍、150万円もの支援を達成しているのだ。

そもそもの話、もともと自動車部品などの試作開発を手掛けていたという同社がなぜオリジナルパター開発に着手したのか。企画開発に携わる菊池智氏はこう語る。

「ウチの営業部の副部長がゴルフ好きでして。以前一緒にプレーした加工業の方が、チタン製のパターを自分で削り出して使っていたそうなんです。それを見て『自分のやつも欲しい!』となったのが始まりですね」(伊藤木型製作所DungBeetle企画開発・菊池氏、以下同)

自分が考えた理想のパターを使ってみたい。ゴルファーなら一度は考えてしまうような夢物語を実現できる環境があり、それを実行に移したというわけだ。

クラウドファンディングページの活動レポートを参照してみると、打音を収めた動画やインパクト直後の転がりを確認できるスロー撮影動画が投稿されていたりと、ゴルファーが気になる点をしっかり押さえていることからも、ゴルフ好きが携わっていることをひしひしと感じさせる。

機能面でもゴルファーファーストで、形状はツノ型マレットなのだが、ヘッド後部にΩ(オメガ)型の突起を加えることでかがまなくてもヘッド後方の溝の部分でボールを拾いやすい設計に。しかもこの突起、正しく構えるためのアライメント機能も果たしているのだという。

画像: ヘッド後方の溝とΩ型の突起によって、かがまずにボールを拾い上げる機能とアライメント機能を両立

ヘッド後方の溝とΩ型の突起によって、かがまずにボールを拾い上げる機能とアライメント機能を両立

「ヘッド後方の溝とΩ型の突起部分には高低差がついているのですが、ライ角通りに構えれば高低差を感じず一直線に見えるような形状になっているんです。これで自分のアドレスを見直すこともできます」

他にもアルミ製と真鍮製のフェースプレートが用意されていて、ボルトで付け替えが可能だったり、カスタム仕様のモデルにはヘッド後方の2か所にバランサーウェートが搭載されていたりとカスタマイズ性も豊かだ。

さらには伊藤木型製作所が居を構える浜松市の特色が盛り込まれているのもポイント。前述のフェースプレートの素材に関しては、浜松市にヤマハ、カワイなどの楽器メーカーが多くあることから、楽器の素材を参考にし、ヘッドの表面処理には浜松市がモータースポーツが盛んな地域でもあることから、フェース表面の加工も自動車のグリルをイメージ。自動車のエンジン部品やサスペンションなどに使われる特殊な表面処理をヘッドに施したリッチな仕様のパターも用意しているという。なんというか、盛り込めるものは全部盛り込んだ、という印象のパターだ。

いちゴルフ好きの理想と、地元への愛が詰まったダングビートル。クラウドファンディングは10月30日まで。後々には一般販売も予定されているそう。気になった方はチェックしてみてはいかがだろうか。

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