飛距離は260ヤード
過去には今平周吾や渋野日向子らもプレーしたミニツアー。プロも多数出場する試合で、優勝したプロと同じスコアで回ったアマチュアがいる。しかも、彼はまだ小学校6年生なのだ。
今年10月13日に開催された「チャリティトーナメント ザ・ロイヤルゴルフクラブ」でプロの部で優勝した遠藤彰プロと同スコアの5アンダー「67」でホールアウトしたのは、千葉県野田市立中央小学校に通う6年生、香川友(かがわ・とも)くん。
もちろん5アンダーはアマの部ではぶっち切り。2位に7打差の大差をつけている。同大会は大会名にもある通り、8000ヤード超の設定で話題となった男子ツアー「ミズノオープンatザ・ロイヤル ゴルフクラブ」と同会場。今回はそのときよりは短いとはいえ、7585ヤード、パー72という設定。昨年の全国小学生ゴルフ大会 男子の部が5973ヤードで開催されているから、この距離が小学生にとってどれほど長いかがわかる。
「距離が長いなと思ったけど、練習ラウンドでは8000ヤードでプレーしたから、そのときよりは短く感じました。(試合では)風も強かったからフェードで打ったり、セカンドが打ちやすいところに(ティショットを)打つようにしました」(香川くん)
8000ヤードでプレーした練習ラウンドのスコアは85。そこから試合で18打も縮めてくるのだから見事なもの。
身長160センチ、体重77キロという立派な体格から放たれるドライバーショットは「260ヤードくらい」と語り、「(同世代の子は)200~220ヤードくらいが多い」と、小学生の中では群を抜く飛距離を持つが、もちろん男子プロと比較すれば飛ばない。なぜここまでのスコアを出すことができたのか? アプローチ、パターに絶妙の冴えを見せたのか?
「260ヤード飛ぶけど、それでは7585ヤードで5アンダーも出せない」と語るのは、香川くんを4年間指導する吉岡徹治氏。代々木高校ゴルフ部監督で、石川遼や笹生優花を指導したジュニア指導の第一人者の一人だ。
「グリーンを外してアプローチで寄せるのは練習したらどうにかなるけど、180~200ヤード先のピンまで球が飛ぶのは才能で教えられないところ。友はこの感覚を持っているんです。僕が教えた小学生のなかで間違いなく一番」(吉岡氏)
今では同級生とプレーすることはほとんどなく、今シーズンの女子ツアーで2連勝してブレークした笹生優花、「日本オープン」で18位タイフィニッシュしたアマチュアの中島啓太らと交じり練習を重ねているようだ。
「将来の夢はプロゴルファー、ミニツアーでまたローアマをとること!」と語る香川くん。「天才だよ」と吉岡氏が語るスーパー小学生の成長を、楽しみにしたい。