距離計人気に比例して、ケースも多機能化
ゴルフでもレーザー距離計が使われるようになってから久しいが、一昔前ならコースで距離計を使っていると訝しげに思われることも少なくなかった。多くのアマチュアのゴルフは、ホールごとに設置されたヤーデージ杭を見て、「あそこで150ヤードだから、135くらいかな?」となんとなく打つのが普通だったからだ。名門などの一部のゴルフ場を除くと、キャディさんが教えてくれる距離もなんとなくアバウトな事が多かったものだ。
潮目が変わったのは、10年余り前からだ。ハンディタイプのGPS距離計が普及し、セルフプレー用の乗用カートにもGPSナビがつくことが当たり前になった。GPS式の普及に伴い、レーザー距離計を購入する人も増えた。低価格の機種が増えたのも大きな要因だろう。残り距離をきっちり測ってから、ゴルフするというスタイルが浸透し、自前の距離計を持つ人が急速に増えてきている。
2019年のルール改正はその流れを決定的なものにした。新たなルールでは、距離計は原則OKとなり、これまで距離計に縁のなかった人が購入する大きな契機になったのだ。その結果、距離計市場に新たに参入するメーカーが増え、そのラインナップは非常に多くなっている。売れ行きも非常に好調のようだ。
前置きが長くなったが、そんな事情を受けて、最近増えているのが、レーザー距離計ケースのラインナップだ。もちろん、レーザー距離計を購入すると、純正ケースが付属しているのだが、定番のブッシュネルなどは同じ機種を持っているゴルファーも多く、ケースが丸かぶりしてしまいがちだ。これは他人のものと間違えたりするリスクもあるし、プロキャディさんも多く使うほど認知も高いだけに、万が一の盗難の可能性も否定できない。
もう一方の定番、ニコンの方は、中身の性能はともかく、純正ケースの評判が良くない。サイズ感ももうひとつなのだが、剛性感に乏しい上、マグネットが弱く、振動などでポロッと本体が出てしまうこともある。筆者も本体が落下して、危うく破損しかけたことがある。精密機器だけに、ケースが心もとないと使用を躊躇してしまう。
ちなみにニコンは別売りで純正のハードケースを3000円弱で販売している。こちらはまずまず衝撃に強く、扱いやすいので、距離計を購入する際に合わせて買っておくのをおすすめしたい。現在の純正ケースには改善を強く求めたい。
今回紹介したいのは、いわばサードパーティーから発売されている距離計ケースだ。使い勝手がよく、他のプレーヤーと違いをアピールできる面白い距離計ケースが様々なメーカーから発売されている。値段も安価なものは2000〜3000円程度からあり、用途や好みによって選ぶことが出来る。
筆者が愛用しているのは、ブリーフィングの「スコープボックスポーチ ハード」だ。価格は、公式サイトで9900円税込とかなり高価だが、厚みのあるナイロン製で、衝撃には若干弱いかもだが、しっかりと距離計を守ってくれそうな硬派なデザインがいい。
一番気に入っているのは、マグネットのバックルが付いていて、開け閉めが非常に容易であることだ。プレーを早くスマートに行いたいゴルファーにとって、とても扱いやすいケースだと思う。このマグネット式の開閉機構があるかないかは、ケース選びの際のひとつのポイントになるだろう。
先日購入した、ピンの距離計ケース「ゴルフナビホルダー」(※定価6050円税込)もおもしろい作りだった。まず大きさが割と大きくて、かなり大きな距離計もすっぽり入ってしまう。驚いたのは、手前のマグネットで開閉出来る部分には、距離計を入れないこと。ここにはスマホなど別のものを入れて、距離計は内側のファスナー部分に入れる。
これがひとつあれば、距離計で距離を測りつつ、スマホで写真や動画を撮ったり、スコアを付けたりすることが出来る。こうした多用途な距離計ケースは今後も増えてくるのではないだろうか。
最近はナイロン製だけでなく、合皮や布地のような素材感の異なるケースも登場してきている。個性的な距離計ケースを選んで、同伴プレーヤーとの違いを演出してみるのも、面白そうだ。