ヘッド、シャフト、グリップのどこかにエラーがある
「クラブは、ヘッドとシャフトとグリップ、3つのパーツからできていますよね。そのどれかにエラーがあると、『合わない』と感じてしまう。その3つのうちのなにが原因かを調べてみると、意外に鉛を貼ったり、シャフトカットするだけで、自分に合うクラブになる可能性は十分にあるんです」(石井、以下同)
そんなチューニングのひとつで石井氏がよく行うというのが”チップカット”だという。
「たとえばフィッティングしていて『シャフトはもう少し硬めがいいな』というときはチップカットをすることがあります。バットカットとはグリップを差す側を切って短くする一般的なシャフトカットですが、チップカットはシャフトの先端を短くすること。そうしたほうが硬くなって、振り心地が変化します。意外とその方法は使いますね」
ただシャフトは硬くできても、柔らかくすることはできない。そういうときは「ヘッドに鉛を貼ってヘッドをきかせます」とのこと。
「もちろん稀にヘッドもシャフトもエラーという方はいますけど、そうじゃない限りどこかは活かせると思うんですよね。だからこそ、安易に『クラブを変えましょう』は正解ではないと思うんです。個人的見解ではありますけど、僕はクラブを長く使ってもらいたいというスタンスで、それが本当のフィッティングだと思っています」
原因がわからないのにクラブを買い替え続けるのは時間も、お金も、勿体ない。だからこそ、自己判断で買い替えるより、専門家に”診断”してもらったほうが、確実だろう。フィッティングというと「クラブを買うときにやるもの」という印象があるが、このように、調子が悪く、買い替えを検討する際にも行ってもらいたいと石井氏は言う。
クラブは使えば使うほど愛着が湧くもの。「最近調子悪いな~」と感じたら一度近くの工房に相談してみるといいかもしれない。