PGAツアー「バミューダ選手権」で今年49歳を迎えるブライアン・ゲイが7年ぶりに勝利をつかんだ。それ以外にも今シーズンは40歳のセルヒオ・ガルシアが3年ぶり、47歳のスチュワート・シンクが11年ぶり(!)に勝利を挙げるなど、40歳以上のおじさんゴルファーが活躍している。その背景は!?

ハタチそこそこのコリン・モリカワやマシュー・ウルフといった若手世代の活躍し、ブライソン・デシャンボーに代表されるような超・パワーゴルフ化が進行中のゴルフ界。しかし、その大きな流れにあらがうかのように、40代の中年世代が躍動している。この原因を、プロゴルファー・中井学はこう分析する。

「40代が活躍している理由って、実はハタチ前後が活躍しているのと実は同じ理由だと思うんです。それがなにかといえば、”道具の進化”と”フィジカル”。この2つだと思います」(中井、以下同)

まずは”道具の進化”についてこのように語る。

「これは日本の女子ツアーに顕著なのですが、クラブとボールが進化して、クラブを扱う技術がそこまで難しくなくなったことにより、技量を鍛練する必要がなくなったことで、ツアー全体の若年化が進みましたよね。同じ恩恵を、世界のトップの若手選手も受けている。一方、オールドプレーヤーの場合は(道具が進化したことによって)老いが止まった、つまり飛距離が落ちなくなったんだと思います」

画像: セルヒオ・ガルシアは「サンダーソンファームズ選手権」で3年ぶりに勝利を挙げた(写真は2019年の全米オープン 撮影/有原裕晶)

セルヒオ・ガルシアは「サンダーソンファームズ選手権」で3年ぶりに勝利を挙げた(写真は2019年の全米オープン 撮影/有原裕晶)

そう語る中井自身も20代から48歳になる今まで、一度も飛距離が落ちていないのだという。もちろん体力的には衰えもあるだろうが、それをクラブの進化が補い、トータルでは飛距離が変わっていないというわけだ。

いずれにせよ、道具の進化によって、ハタチ前後や40代の選手にも勝つチャンスが以前より多く生まれているというのが中井の分析。では、40代選手が活躍するもうひとつの理由として挙げた「フィジカル」はどうだろう?

「アメリカでは30年ほど前からトレーニングが当たり前になっています。それが、オールドプレーヤーたちの選手寿命を延ばしているのではないでしょうか。トレーニングを重ねることで怪我もしないし、練習時間も増やす、または維持することができる。適切なトレーニングによって、若手も、ベテランにもチャンスがあるように思います」

かつてゴルフの道具は長い年月苦労を重ねてその正しい使い方を身につけるものだった。そしてかつてゴルフ界ではトレーニングは感覚が狂うとして奨励しないという風潮もあった。しかし時代は変わり、道具は簡単になり、トレーニングによってフィジカルを良好に保つこともできるようになった。それにより、若手はいち早くツアーレベルに到達し、ベテランは一線で活躍する時期を伸ばすことができるようになっている。

進化したクラブと適切なトレーニング。我々アマチュアゴルファーが年齢を重ねてもゴルフを楽しむ上でも、このふたつが大事なのかも。

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