ゴルフでもっとも注意するべきマナーはスロープレーだが、もしかしたらあなたも気づかぬうちにスロープレーヤーになっているかも? ゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロがスムーズにプレーするための方法について考えた!

スロープレー防止はやっぱりマナーの基本のキ

ゴルフは伝統的にマナーに厳しいスポーツだが、なかでもナンバーワンの悪行とも呼べるのが、スロープレーだ。スロープレーは極悪非道な重罪ということで、二言目にはスロープレー、スロープレーと怒りはじめるゴルファーも少なくなく、ラウンド中にゴルフ場の代表電話に携帯で連絡して、前の組が遅いなどとクレームを入れる人もいる。気持ちはわからないでもないが、出来れば穏やかにやっていただきたいものだ。

スロープレーヤーは昔から存在していただろうが、最近になって増えているのは、写真撮影などで遅くなっている例だ。いわゆるインスタ映えする写真やYoutubeのラウンド動画を撮るのに熱心で、良いアングルで写真を撮るのに、名物ホールで粘っている人もいるらしい。

知人に聞いて面白かったのは、後ろの組がセカンド待ちしているところ、バーディーを取ったからとカメラをカートまで取りに戻って、ピンフラッグとボールを持ってグリーン上で記念写真を撮っていた猛者がいたという話。ちょっと微笑ましくもあるが、待たされている後ろの組はたまったものではない。

もうひとつ増えているのは、高齢ゴルファーのスロープレーだ。プレーを速くするには、機敏にキビキビと動き、ひとつひとつの行動を速くすることが大切なのだが、寄る年波には勝てず、どうしても緩慢で判断も悪いゴルファーが増えているようだ。これは、車しか交通手段のない地方の高齢者問題に似ていて、なかなか解決方法を見いだせないが、今後はさらに増えてくるのだろう。

画像: スロープレーを防ぐための方法とは?(撮影/有原裕晶)

スロープレーを防ぐための方法とは?(撮影/有原裕晶)

恥を忍んで告白すると、筆者もそれほどプレーは速くない。ラインを逆から読んだりして、仲間から不興を買うこともあるし、競技で周囲が遅かったりするとそれに引きずられて、判断が悪くなることがある。

打順にとらわれずにプレーしてみよう

その反省も込めていえば、プレーが遅い人はとにかく要領が悪い。カメラを取りに行くのは論外だが、ボールの位置までクラブを持っていかない、1本しか持っていかずに、判断が変わってカートに取りに戻る。キャディさんがクラブを持ってくるまで、またはカートが来るまでその場で待っている。自分の番になってから、おもむろにラインを読みはじめる。自分の打順で、タバコ、トイレ、ひどい人になると携帯電話が終わらなかったりする。

律儀に打順をずっと待っている人も多い。同伴者がボール探しをしているとき、アプローチがいったりきたりしているときなど、トラブルで時間がかかっているときは、先に打ったほうがいい。遠球先打はゴルフの大原則だが、2019年のルール改定で、安全を確保できスロープレーを防げるなら、先にプレーしても良いことになっている。これを活用しない手はないだろう。

個人的な意見だが、ティショットの順番もあまりオナーにこだわらないほうが良いと思う。準備ができた人から、ビシビシ打ったほうがリズムも良い。男女4人の組で、前のホールの打数順に、白ティで男性が打ったかと思うと、赤ティで女性が打ち、また男性が白ティで打っていたという笑い話があるが、もう少し要領よくやりたいものだ。ちなみに、レイアウトにもよるので一概には言えないが、多くの場合は女性が先に打ったほうがプレーは速くなる。

クラブをしまう前にカートへ。クラブは次のティ方向に。ライン読みは事前に

そう考えると、スロープレーをやめようとはよく聞かれるが、どうやったらプレーが速くなるかはあまり周知されていないのではないかと感じる。よく言われるクラブを2、3本もって走れくらいではないだろうか。

要領の悪さを改善することが、スロープレー防止につながる。クラブはバッグに入れる前に乗用カートに乗り込む。グリーン周りでは、カート方向または次のホールの方向にウェッジなどのクラブを置く。グリーンに登る前に、パッティングラインの見当をつけておく。ボールにいくときに、判断に迷いそうな複数の番手を持っておくなど、やれることはたくさんある。

前が詰まってない状況で、ハーフ1時間半以内でプレーできる?

そして、一番の問題は、スロープレーヤーは自分が遅いということに気づいていないことだ。この記事もなんとなく他人事と感じている人も多いのではないだろうか。スロープレーにうるさい人も、その割にはそれほど速くないことが多い。そこで機会を見つけて試してもらいたいのが、このスロープレーの判定方法だ。

朝イチの組とか、または前が数組空いていて、進行の邪魔がないとき。少しだけスピードを意識して、ハーフでどのくらいの時間で回れるかを測って欲しい。4人組であってもハーフで1時間半以上かかったら、残念ながらそれほど速いプレーヤーとは言えないだろう。もっともホール間で距離があったり、グリーンが難しかったり、電動カートが驚くほど遅かったりするコースもあるので、あくまでも目安として考えて欲しい。

先日、筆者も朝イチのスタートで、「バックティなので遅れないでください」とマスター室に念押しされたため、きもち速めのプレーを心がけたら、ハーフを1時間余りでホールアウトした(※仲間3人でのプレー。OKあり)。名門コースなどで、健脚で鳴らしたファストプレーヤーなら、もっと速くラウンドするのではないだろうか。速い人は本当に速い。えっ、もう打ったの? と驚くほど速いものだ。

誤解してほしくないが、これはアクセルを踏んだときにどのくらいのスピードでプレーできるかという練習でもあって、スピードを出して、前の組を煽れという話ではない。ハーフ1時間半で回れるスピードがあると、トラブルがあって遅れてしまっても追いつくことも出来る。

高速道路の運転では、ゆっくり走るのも超高速でかっ飛ばすのも危ない。ゴルフも同様で、前の組と後ろの組、その日の組の流れに上手く乗ることが大切なのだ。2時間ペースなら2時間で、仮に3時間かかるなら、3時間のペースで前を開けないように、煽らないように、流れに上手く乗るのが、スコアを崩さないコツでもある。ゴルフ場が組数を詰め込んでいるのは、また別の話なので、まずはゴルファー個々人が流れを乱さないことを心がけたい。

リズムの良いゴルファーと周ると、自然とこちらのリズムも良くなりし、プレーも速くなる。スコアまでも良くなることが多いものだ。マナーのシングルには誰もがなれるというが、そんなリズムのシングルを目指したいと思う。

This article is a sponsored article by
''.