ソケットの浮きが発生したクラブの10本に2本はシャフトが抜けかかっている状態だった
みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。当店は練習の中にあるので、練習中にクラブの異変に気付き、相談に来られる方が多くいらっしゃいます。中でも多いのが、「ソケットの浮き」です。
ソケットとは、ネックの上に装着するパーツのことで、フェレル、フェルールとも呼ばれます。ソケットは、フタ的な役割をしていてシャフトとネックの接着面を水滴やゴミなどから守るためについています。ソケットは接着剤などで固定されているわけではなく、はめ込んであるだけなのでインパクトの衝撃などで浮いてくることがあるのです。
昔はソケットのないクラブもあったぐらいですから、浮いたからといってすぐにクラブが駄目になるということはありません。
ですが、ソケットが浮いたということは、クラブから何かしらのサインが発せられたと思ったほうが良いです。本当にただソケットが浮いただけなら良いのですが、実はソケットではなくシャフトが抜けかかっているかもしれないのです。実際、当店に持ち込まれるソケットの浮いたクラブのうち、割合的に10本に2本はシャフトが抜けかかっている状態でした。そのまま使っていれば事故になりかねません。
またソケットが浮いてくるということは、セルロイド製のソケットが劣化している可能性があります。保管している環境の温度や湿度の差が激しいと劣化が早まりやすいのですが、そういった環境はソケットだけでなくグリップや、シャフトにも少なからずダメージを与えている可能性があります。
ゴルフクラブは、アマチュアゴルファーが通常に使用するぐらいでは性能の劣化はほとんど起きないと言われています。定期的にメンテナンスをすれば、かなり長持ちする道具です。もの凄い頻度で使用するプロゴルファーでも10年近く同じクラブを愛用している方もいます。
ですがそれはきっちりメンテナンスを行っているからこそです。「ソケットの浮き」は、そのメンテナンスのタイミングのひとつだと思ってください。もちろんソケットだけの劣化の可能性もあると思いますが、ヘッド、シャフト、グリップを一通り注意して眺めてみてください。もし気になるところがあれば、お近くのショップや工房に相談してみてください。そういった行いがクラブを長持ちさせられますし、ゴルフ場や練習場での事故を防ぐことに繋がるのです。